ダイジェスト詳細
岸田政権の看板政策、重要な一歩 半導体など確保に向けて制度を創設 ~経済安全保障推進法が成立
経済安全保障推進法(経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律)が11日、成立した。岸田政権の看板政策である経済安全保障が重要な一歩を踏み出した。同法は公布後6カ月から2年以内を目途に段階的に施行される。
経済安全保障推進法の成立によって、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的な推進に向けて、基本方針が策定されるとともに、安全保障の確保に関する経済施策として所要の制度が創設される。
新たに創設される制度は、重要物資の安定的な供給の確保、基幹インフラ役務の安定的な提供の確保、先端的な重要技術の開発支援、特許出願の非公開に関する制度の4つだ。
重要物資の安定的な供給の確保に関する制度では、政府が安定供給を確保すべき特定重要物資を政令で指定し、所管大臣が民間事業者の策定した供給確保のための計画を認定して措置を実施する。さらに、民間事業者への支援措置では安定供給確保を図ることが困難な場合には、特別の対策を措置する。
国民の生存や国民生活・経済に甚大な影響のある物資の安定供給の確保を図ることが重要となっており、重要な物資の安定供給確保を講じる制度を整備する。
基幹インフラ役務の安定的な提供の確保に関する制度では、基幹インフラの重要設備が外部から行われる役務の安定的な提供を妨害する行為の手段として使用されることを防止するため、重要設備の導入・維持管理等の委託を事前に審査する。
審査の結果、重要設備が役務の安定的な提供を妨害する行為の手段として使用されるおそれが大きいと認められるときは、重要設備の導入・維持管理等の内容の変更・中止等の妨害行為を防止するための必要な措置を勧告する。
先端的な重要技術の開発支援に関する制度では、特定重要技術研究開発基本方針を策定するとともに、特定重要技術の研究開発に対する必要な情報提供・資金支援、官民伴走支援のための協議会設置、調査研究業務の委託等の措置を講じる。
民間部門のみならず、政府インフラ、テロ・サイバー攻撃対策、安全保障等のさまざまな分野で今後利用可能性がある先端的な重要技術の研究開発の促進とその成果の適切な活用は、中長期的に日本が国際社会における確固たる地位を確保し続ける上で不可欠との考えだ。
特許出願の非公開に関する制度については、導入によって公にすることで国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が記載されている特許出願につき、出願公開等の手続きを留保するとともに、必要な情報保全措置を講じることで、特許手続きを通じた機微な技術の公開や情報流出を防止する。
また、同制度によって、これまで安全保障上の観点から特許出願を諦めざるを得なかった発明者に特許法上の権利を受ける途が開かれることになる。
(詳細は経済産業新報・本紙で。電子版試読はこちらです。)