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2022/07/31

訃報 安倍晋三元首相

戦後生まれ初の首相、安倍氏が凶弾に倒れる

 

戦後生まれ初の内閣総理大臣である安倍晋三元首相が参議院選挙の終盤、習奈良市での演説中に、元自衛官の手製の銃で狙撃され亡くなった。享年67歳(従一位)。このような首相経験者暗殺事件は戦後初であり、歴代最長の首相を務めた安倍氏には多くの人が花束を手向け、海外から259カ国・地域・機関から弔意が届き、改めて安倍氏の業績を称える声が大きい。

 

1954年(昭和29年9月21日生まれ)、毎日新聞記者だった安倍晋太郎氏の次男として東京・新宿で生まれた。父方の祖父は安部寛衆院議員。母方の祖父が岸信介元首相。成蹊大法学部政治経済学科卒後、南カリフォルニア大留学。その後、神戸製鋼所に入社。

82年外務大臣となった父の秘書官となる。91年父晋太郎氏の急死に伴い、93年第40回衆院選挙に山口1区から出馬し初当選(以後10回)。同期に田中真紀子、岸田文雄、野田聖子、高市早苗らがいる。

2003年小泉首相のサプライズ人事で自民党幹事長に就任。05年には内閣官房長官として初入閣。06年自民党総裁に選出され、第1次安倍内閣発足。07年9月辞任後、12年12月に復活し、第2次安倍内閣を組閣。第96代総理大臣に就任した。

以来、19年9月の第4次安倍第2次改造内閣まで11回組閣し、首相在職日数は3188日と歴代最多となった。20年8月持病の悪化で辞任。

 

アベノミクスや外交で高い評価

 

21年派閥に復帰し、最大派閥安倍派のトップとして活動していた。北朝鮮拉致問題や東京オリンピック誘致、アベノミクスなどわが国の発展、成長に大きく寄与した。また、米トランプ大統領らとゴルフを通じて日米首脳による日米同盟の強化に努め、多くの国との間で「アベ外交」を展開した。

またロシアのプーチン大統領と27回会談したが、念願の北方領土問題は解決できず心残りであったと推察される。首相が7年間と長期政権が続き、日本の経済社会は安定したが、同時に政権の緩みから「桜を見る会」などの政治資金問題が騒がれた。しかし嫌疑不十分で不起訴となった。

 

自民党保守層の代表である安倍氏が白昼、射殺されるという「まさか」が起きてしまった。性格は温厚で、話し好きのゴルフ好き。育ちの良さがにじみ出ていた。稀有の政治家を亡くしてしまった。政府は大勲位菊花章頸飾並びに大勲位菊花大綬章の追贈を決定した。ご冥福を祈りたい。

 

経済産業新報社

 

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