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GXの牽引役、エネルギー供給の決定力に ~原子力再稼働へ、政策の方向性とアクションプラン
経産相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会(委員長・山口彰[公財]原子力安全研究会協会理事)は、①原子力再稼働への総力結集、②既設炉の最大限活用、③次世代革新炉の開発・建設、④バックエンドプロセス加速化、⑤サプライチェーンの維持・強化。⑥国際的な共通課題の解決への貢献、を柱とする原子力政策の基本原則と政策の方向性・アクションプラン(案)をとりまとめ、報告した。
基本原則として開発・利用にあたっては、①「安全性が最優先」であるとの共通原則の再認識、②原子力が実現すべき価値、③国・事業者が満たすべき条件を強調している。
原子力の価値としては、安全強化に向けた不断の組織運営、GX(グリーントランスフォーメーション)における「牽引役」としての貢献。わが国のエネルギー供給における「自己決定力」をあげている。
そのためには、社会に開かれた対話を通じた、エネルギー利用に関する理解・受容の確保、革新技術による安全性向上が不可欠であるとしている。国・事業者が満たす条件では、規制に止まらない安全追及・地域貢献と、オープンな形での不断の問い直しを前提に、安全向上に取り組む技術・人材の維持・強化、必要なリソースの確保が求められている。
そして、バックエンド問題等、全国的課題において、前面に立つべき国の責務遂行、実現に向けた国の政策措置、官民の取り組み全体の整合性を確保する枠組みの検討が大事であるとしている。
具体的な原子力政策の方向性やアクションプラン(案)では、まず、「安全神話からの脱却」を問い直し、自主的安全性向上のための、再稼働への総力結集、原子力安全委員会による安全性の確認がなければ運転できないことを大前提においた既設炉の最大限活用を図り、運転期間の取り扱いに関する仕組みの整備を図っていく、としている。
次に、地域の理解を前提に、原子力の価値実現、技術・人材維持、強化に向けて「次世代革新炉」の開発・建設を挙げている。まずは、廃止決定炉の建て替えを対象に、バックエンド問題も進めつつ具体化していく方針だ。 また、米英仏等との戦略的な連携による自律的な次世代革新炉の研究開発の推進していく予定だ。
3つめは、バックエンドプロセスの加速化し、核燃料サイクルの推進を挙げている。再処理工場竣工目標の実現、プルサーマル推進、使用済み核燃料貯蔵能力拡大への対応を強化していく。
4つめは、国内サプライチェーンの維持・強化。原子力の今後のためには、戦略的な人材の確保・育成が重要である。それには、国による技能継承の支援、大学・高専との連携による現場スキルの習得推進を図っていくとしている。
また、技術・人材の維持に向けて、海外プロジェクトへの参画を目指す官民連携チームを組成するアイデアも盛り込まれている。
最後に、ウクライナをはじめ、世界の原子力安全・セキュリティ確保に貢献する国際的な共通課題の解決にに向けた貢献を行いつつ、サプライチェーンの再構築を図っていくべきだとする、プランを示している。
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