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2023/05/02

2040年までに水素導入1200万トンへ ~5月末メドに「水素基本戦略」改定

 再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議では、5月末をめどに「水素基本戦略」改定案をとりまとめ、水素社会実現に向けた政策の骨格、制度設計の具体化を図る。

 

 基本戦略のポイントは、①2040年における水素等の野心的な導入目標1200万トン程度の設定、②2030年の国内外における日本企業の水電解装置の導入15GW(世界の導入見通しの1割)、③大規模かつ強靭なサプライチェーン構築、拠点整備に、官民合わせ15年間15兆円の投資計画、④「クリーン水素」の世界基準を日本がリードし、クリーン水素への移行を明確化していく――の4点となっている。
 この水素の場合、アンモニア等合成燃料などの水素化化合物を含んでいる。評価する基準として、単位当たりの水素製造時に発生するCO2排出量の策定を検討する。
 その際、水素産業戦略と水素保安戦略の2つの策定を行い、規制・支援一体型での包括的な制度整備を図っていく、としている。

 

水素社会実現に向けた政策

 

 水素産業戦略では、脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の一石三鳥を狙い、日本の技術的強みを生かし、世界展開を図る。生産では、水電解装置の生産設備増強やコア技術開発支援、輸送では、国内輸送設備の増強、人材育成、液化水素・MCHの海外普及を図る。
 利用ではFC(燃料電池)商用車の導入や水素STのマルチ化、港湾や空港でのFC機器導入を加速させていく。
 大規模な水素利用に向けた保安戦略では、サプライチェーン全体をカバーした法令の適用関係の合理化・適正化を図る。そして、①水素の安 全性を裏つける科学的データの獲得や共有、②技術基準の統一を通じたシームレスな保安環境の構築、水素保安人材の育成を推進していく。
 包括的な制度整備では、大規模サプライチェーン向けに既存燃料との価格差支援や効率的な供給インフラ支援。規制ではクリーン水素(Environment)への移行と適用法令の整理・明確化、水素の安全な(Safety)利活用に向けた環境の整備――を取り上げている。

 

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