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2023/06/12

CN対策には選択肢を狭めない 日本発の自動施工モデルに期待 ~経産省製造産業局産業機械課長 安田篤氏に聞く

グローバル市場をつかんでいる建機産業

 

 建機産業の出荷額が3兆円を越えたのは、世界のインフラ・資源需要が高まっている折、グローバルマーケットをしっかり獲得している点にある。特に需要が高い北米や南米、アジア市場をつかんでいる。
 グローバルに生産、販売、サービスの体制を整えていることが競争力の源泉であろう。機械産業の典型ともいえる。建機は工事現場という過酷な環境で、海外では24時間稼働させる現場も多い中、パーツの取り換えやメンテナンスが非常に大事になる。
 「工事を止めさせない」建機としてのサービスを充実させている。今後も世界のインフラ需要はますます膨らむ。その中で、今後はDXやGXの流れに沿っていくことが重要なポイントだ。

 重要なポイントの一つはCN(カーボンニュートラル)への対応であろう。エンジンの電動化、水素、合成燃料(e-fuel)の活用など、各社は研究開発を進めているが、選択肢は狭めないことが大切だ。
 建機の小型のものは電動化が進むだろうが、大型のものは電動ではパワーが足りない課題があり、水素が有力な選択肢の一つだ。しかし、インフラや供給体制に課題があり、改訂中の経産省の水素基本戦略の中でも、建機は水素ユーザーとして位置づけられている。
 合成燃料についても、航空業界などと同様に、建機工もメンバーに入った官民協議会で議論を進めている。
 今後の日本の人手不足に関して、生産面では仕向け地別に日本の工場と海外の工場を使い分けていく方向となるだろう。機械の面では自動施工、自動運転、遠隔操作が次の競争力につながっていく。
 国交省では、自動施工の安全基準作りのための、現場実証を検討しており、経済産業省や建機工などもその検討に参加している。日本発の自動施工モデルが出来れば、海外でも需要が出てくる。建設現場のDX化がますます進展していくので、建機に対する期待はますます高まってくると考えている。

 

(談:経済産業省製造産業局産業機械課長 安田 篤氏)

 

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