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2024/09/10

日本の科学をけん引する若手女性研究者4名を表彰 ~第19回 ロレアル ユネスコ女性科学者 日本奨励賞

 6日、日本ロレアル(ジャン-ピエール・シャリトン代表取締役社長))は、 2024年度第19回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の受賞者4名を選出し、東京・広尾の駐日フランス大使館公邸にて授賞式を行った。

 

 ロレアル-日本ユネスコ女性科学者日本奨励賞は、2005年より、日本ユネスコ国内委員会後援の下、同社が日本の若手女性科学者の研究活動継続の奨励を目的に創設し、今年で19回目を迎え、現在まで75名の若手女性科学者(博士後期課程に在籍または同課程に進学予定)を奨励している。

 日本の女性研究者数は18万3300人、研究者の割合が18・3%と過去最高を記録したが、国際的にはまだ低水準にとどまっている。主催者である世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本法人のシャリトン社長(写真)は、「科学の最前線にいる若手女性科学を褒章する栄誉に預かった。世界の喫緊の課題の解決にはジェンダーを超えたあらゆる人々の声が尊重された時に解決されるという我々の信念がある。受賞者は若い世代のロールモデルとなり、人類の知識の境界に挑み、世界未来を築いて行って欲しい」と挨拶した。

 

 今回の受賞者は以下の通り。

 

 物質科学は、大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻加工物理学領域佐野研究室の佐藤佑理子(さとうゆりこ、26歳)さん、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻国立天文台中村研究室の森井嘉穂(もりいかほ、26歳)さん、生命科学では、九州大学大学院医学系学府医学専攻分子医科学分野の白石千嵯(しらいしちさ、29歳)さん、名古屋大学大学院医学研究科分子細胞学の橋本明香里(はしもとあかり、28歳)さんに、それぞれ記念盾と賞状がシャリトン社長から授与された。

 

女性科学者 日本奨励賞
写真前列左から佐藤さん、森井さん、白石さん、橋本さん

 

 佐藤さんは、職人の経験に依存していた溶接技術に、電磁熱流体力学に基づく熱プラズマ源を用いた材料加工現象の解明を評価された。森井さんは、チリの天文台に行って膨大な電波観測結果から根気強く、重い星の誕生過程の解明の考察が高く評価された。

 白石さんは、たんぱく質の翻訳によって引き起こされる組織特異的な制御機構の研究から、心機能に異常をきたすメカニズムに画期的なアプロ―チで解明につながる点を評価された。橋本さんは、視覚だけでなく、脳の多種感覚情報の統合や分別内関わるメカニズム(ミクログリア)解明につながる発見が評価された。

 

 今年の第2部では、「世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている―科学界における」ジェンダー平等実現に向けたブレークスルーとは?」をテーマに有識者によるトークセッションが行われた。

 NPO Waffleの田中沙弥果理事長をモデレータに、横山広美東大国際高等研究所教授、原山優子東北大名誉教授、桑田薫東工大副学長らが、社会変革の必要性、家庭で認識のずれ、初等教育からの見直し、大学・企業の変革など多彩な話題を提供していた。

 

(詳細は経済産業新報・本紙で。電子版試読キャンペーン実施中。)