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BEV化を急速に進めるインド ~KPMGコンサルティングが調査レポート
世界最大の二輪車市場がBEVに
KPMGコンサルティングが世界における市場動向と日本企業に求められる対応について、Automotive Inteligenceチームが環境、地政学、エネルギーの7つの論点に注目した、メガトレンドを含めた調査レポ-トとりまとめた。
2023年の世界の二輪車販売台数は5,700万台。最大市場はインドで3割を占めている。その中で、日系メーカー(ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ)は日本市場が世界の1%しかないのに、世界市場で45%のシェアを誇っている。
生産台数ではインド、中国ともに1500万台以上生産しており、中国は半分を輸出している。
今回の調査で注目されるのが、人口14億人、バイク保有台数2.4億台(乗用車5倍)のインド市場の動向である。インド政府は2030年までに二輪市場の80%をBEV(電動バイク)に引き上げる方針を打ち出している。
深刻な大気汚染問題、原油輸入額の増加(2000憶㌦)による貿易赤字の削減が課題となっており、BEVの普及促進政策を次々打ち出している。需要創出のための新車購入補助金、国産化推進投資促進・供給網強化策、インフラ整備、資源確保・リサイクルなど、1000億ルピーの予算を投じて普及に努めている。
インド市場の二輪車市場では日系メーカーが33%のシェアを持っているが、BEV市場では地場のEV専業メーカーが67%のシェアを持っており、日系メーカーのシャアは0%。この点を聞くと。「日系メーカーはまだ利益の上がる市場には」なっていないので、24年の後半から市場参入していく予定だ」(同社轟木光自動車セクターアソシエイトパートナー)。
現在、インドはリチウムイオン電池の輸入量を30億㌦に増やしており、半分は中国市場から輸入をしている。二輪BEV車両購入費用がガソリン車に比べ高いが2年目からは燃料費が抑制でき、保有コストが10年間で3分の2のコストで済むのが魅力だ。
もう1つ、東南アジアのバイク市場だが、一人当たりGDP(名目)5000ドルを超えても、四輪車への移行が300万台で停滞している。バイクへの需要に底堅さがあるようだ。
世界最大の市場がBEV化して来る時、日本メーカーやBEVのない日本市場はどうなるのか?聞くと、「軽自動車が200万円を越えて来ており、50CCの廃止、125CCへの転換が進むと、日本市場も安価なバイクへの需要が高まってくるのではないか?」(同)予想していた。
なお、今回の調査では電動自転車や電動キックボードは除外されている。
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