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工作機械メーカー強さの秘訣 中村留精密工業
複合加工機、輸出比率70%
①強み
創業75年の中村留精密工業。ユニークな創業者の名前の社名は覚えやすく、3代目の中村匠吾社長(写真)は若干33歳。子供のころからモノ作りが好きで入社。会社の目的である「現場の負担を削る」精神を引き継いでいる。
もともと石川県で盛んな繊維産業から旋盤の専門メーカーに転身、今では複合加工機のトップメーカーとして。世界55カ国で販売し、その輸出比率は70%を超えている。
その秘密は工程集約にある。素材から完成品までの工程を1台に集約、従来、旋盤2台、MC(マシニングセンタ)2台の4工程が1台でできるように集約してしまった。
生産本部所属の半数が技能検定士の資格を持っており、直接、顧客の課題に図面と向き合いながら改善を図っている。そのためノウハウも蓄積されて行く好循環が生まれてきている。
製品ラインナップも、シングル、マルチタレット機、ATCシリーズ(3種類)で対応、あらゆる現場を想定した形を用意している。また、複合加工機をコントロールする操作盤を独自に自社開発、誰でも簡単に早く、精度が出せる「NT SmartX」を標準装備。
②持続的成長のために
太陽光発電で敷地内の電力の20%を賄っている。複合加工機の市場は伸びていくので、それに対応し、スピード×スペース×フレキシビリティを追求、ロボットやカントリーローダーなどの提案を増やしている。
また、加工領域を拡大するためボブ加工、ノンステップ深穴加工、ハードスカイビングなどの新しい加工にもチャレンジしている。多段階積みストッカーやパレタイジングストッカー「箱兵衛」などの周辺装置も自社製作で提供している。
③人材育成について
プログラミング授業を教育機関に提供し、親しみやすい工作機械をPRしている。また、社長自身が毎日、SNSをアップしており、フォロワーがLinkedinとXを合わせてすでに2万5000人おり、知名度向上に役立てている。
従業員一人一人に能力カルテを持たせ、どのスキルを伸ばせば成長できるかを見える化しており、それぞれが目標をもって仕事に励む、働き易い環境を整えている。中途採用やキャリア採用にも力を入れている。
・会社名 中村留精密工業株式会社
・代表者名 中村匠吾
・従業員数 631名
・工場所在地 石川県白山市
・主な海外拠点 韓国(工場)、米国ボストン、ドイツ、中国、ベトナム、インド
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