社告  令和6年1月1日にM7・6の能登半島大地震に見舞われた被災者の皆様に 心よりお見舞い申し上げます。    経済産業新報社

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2019/07/07

スペシャル・トーク第3回「エネルギー危機に備えのない日本」  ~緊急事態には原発の再稼働しかない~

公益財団法人 笹川平和財団会長 田中伸男氏に聞く

 

日本の化石燃料の90%を依存するホルムズ海峡でタンカー攻撃があり、米国とイランが一触即発の危機にある。この事態の可能性に対し、かねてより警鐘を鳴らしていた、元IEA事務局長の田中氏が日本政府の危機管理能力の欠如に「由々しき問題」と警告を鳴らした。。

 

私が「東京電力の原発を国に大政奉還せよ」と言っている理由は、わが国は今後起きる大きなエネルギー変化にチャレンジしなければならないからだ。①太陽光・風力などを活用できる大きな電力市場の必要性、②原子力事業を再生していく、③国際電力連携線を引いて、海外から安い電力を買ってくる、この3つを一挙に解決するビジョンを作り、エネルギー基本計画と一緒に進めなければ、エネルギー変革の課題を克服することが難しくなる。

しかし、経産省は2030年のエネルギーミックスの数字すら変えず、2050年のエネルギー事情も定性的な分析で終わりにしている。

政府が動きそうもない以上この事態を動かすためにまず東電が「あれだけの事故を起こした以上、再稼働して原発を動かす資格は私共にはありませんので、国にその資格を返上します」とケジメをつけろと言っている。