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2020/11/15

STEAMライブラリー構築へ〜世界の教育の潮流〜

世界の教育の潮流、STEAM〜学術的、創造的な学びへのシフト

経産省では、授業にも個人探究に使えるデジタル教材集を国内外の教育産業と学校・研究機関・産業界との協力によって開発し、「STEAMライブラリー」を試験的構築に取り組む。

 

 

同省では、2019年6月に「未来の教室」ビジョンを取りまとめ、「学びのSTEAM化」を今後の教育改革の重要な柱の一つとして掲げている。現代の世界共通の教育キーワードの一つが「STEAM(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(人文社会・芸術・デザイン等) and Mathematics(数学))。
この言葉は、工業化社会での均質な労働力輩出に適合した「教科タテ割りの、詰め込み勉強」から、 人がAIと第四次産業革命の世紀に価値を生み出す力を養う「学際研究的で、創造的な学び」へとシフトさせていく考え方である。
こうした世界的潮流の中、文科省の学習指導要領に基づき、高校では2022年度から「総合探究」「理数探究」「公共」などの教科がスタートする。(小中学校についても探究的な学びの強化が謳われている)。
来年3月より、高校生も中学生も小学生も教師も保護者も、誰もがこのSTEAMライブラリーにアクセスし、授業や家庭学習場面で供用できる。
掲載されるコンテンツ群は、「未来社会の創り手」になる子ども達が挑戦すべきSDGsの17テーマを意識して整理し、従来の科目の枠組みに捕らわれない統合的・学際的な社会課題や、生徒達にも身近な生活課題のテーマを揃える。
このライブラリーの活用により、生徒や教師の中に「ワクワク」が生まれ、探究の入り口、イノベーターへの道が開くか、この点の実証を、教育現場や文科省、学界・産業界からも意見をもらいながら進め、随時改良していく予定。
今年8月の「未来の教室」(STEAM検討WG)中間報告では、WGの有識者委員により、「STEAMとは、ワクワクを起点に「創る」⇄「知る」が循環する学びを実現」であること、また「新学習指導要領」と「未来の教室」が目指している方向は同じ」であり、「学習指導要領を正しく解釈すれば、教育課程内でSTEAM は可能である」ということの学校教育現場への普及の必要性を訴えた。
また「日本の業界/アカデミアの発展につながる次世代育成の取組みとして、企業・研究機関の積極参画が期待される」という考え方が示された。
本事業は、これらのポイントを踏まえて「STEAMライブラリー」を試験構築するもの。
ライブラリーには、小~高を対象に主教材(動画等)+補助教材で構成し、学習指導要領との紐づけや指導計画・指導案の掲載など、学校等の授業内で使いやすく工夫することで、「学びのSTEAM化」の拡大、普及に努める。さらに、AIやエネルギー、モビリティ、防災など社会と接続されたテーマとしており、SDGsにも関連づけられた教材とし、民間事業者や高校、大学、研究機関などが連携し、コンテンツ開発を行う。
11月4日(水)13時より、「Edvation×Summit 2020 Online」の中で、コンテンツ開発事業者数名を招き、キックオフ・シンポジウムが開催される。