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2021/02/01

地球の気候非常事態宣言ネットワーク(CEN)が誕生 全ての自治体が「カーボンニュートラ ル宣言」を


山本良一東京大学名誉教授に聞く
気候危機が高まる中、気候非常事態宣言への取り組みが関心を集めている。「気候非常事態宣言とカーボンニュートラル社会づくり支援ネットワーク(CEN、気候非常事態ネットワーク)」を設立した山本良一東京大学名誉教授に同ネットワーク設立の目的などを聞いた。
北極海氷が溶け、温暖化が加速
―気候危機の現状は。
「最近の研究では、2035年には北極海に浮かぶ北極海氷が夏の間は溶けてしまう可能性が指摘されています。北極海氷は太陽光を反射する役割を果たしているため、海氷がなくなれば北極海が太陽光によってじかに温められることによって、温暖化がさらに加速することが心配されています。
温暖化が加速すれば、永久凍土が溶けてメタンガスが放出されるなど、さらなる問題の発生も予見されます。シベリアのベルホヤンスクでは6月20日に38℃を記録しており、シベリアにおける急激な温暖化の進行が心配されます。
また、日本の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)、九州豪雨(令和2年7月豪雨)も地球温暖化の影響だという分析もあります。
現在、最も心配されている問題は熱波です。熱波によって2050年には20億人、2070年には35憶人もの人々が現在の居住地を追われ、気候難民になるとの分析も出ています」
―気候非常事態ネットワーク設立の目的は。
「人類文明は滅亡の危機に瀕しています。気候の安定や水資源、生物の多様性の確保といった地球の公共財を人類がないがしろにしてきた付けが回ってきているわけです。
2018年8月20日に当時15歳の少女グレタ・トゥーンベリさんがスウェーデンの国会議事堂前で気候危機の根本的な解決を求めて一人で学校ストライキを始めました。2019年9月20日には全世界で400万人がストライキに参加し、日本でも約5000人がストライキに参加しました。若者が抗議を行うことによって、地球の気候が非常事態にあるという認識が全世界に広がりました。
若者の反乱に対して、大人が責任を持って行動しなければならないとの思いから、316人の署名を集めて、2019年3月1日に全国の自治体に対して気候非常事態宣言とアクションプランの策定を求める請願書を公表しました。このような背景から気候非常事態宣言とカーボンニュートラル社会への転換を支援するためのネットワークを設立することとしました」