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日本に根差した半導体・デジタル産業がDX推進 日本のDXの現状と今後の道筋
「2025年の崖」まであと4年。日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)の現状と今後の道筋について、経済産業省の田辺雄史課長に聞いた。
情報処理推進機構(IPA)が6月、「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020年版)」をまとめた。そのデータを見ると、DXに対する経営側の認識が高まっていることがわかる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、DXに取り組まなければならないという認識が広まった一方で、DXが全社的な取り組みとして浸透していると言える段階には至っていない。
経営側がDXを進めようとしても、デジタルに対する現場の理解が進まない、なかなか現場がついて来れないといったギャップが存在している可能性がある。
日本に根差した半導体・デジタル産業がDX推進
経産省は6月、「半導体・デジタル産業戦略」を公表した。これまで自由競争に任せてきた半導体やクラウド、データセンターが生活にとって必要なインフラとなり、その重要度が増しているという問題意識の下、そうしたインフラ産業が日本に根差して質の高いサービスを供給する世界を目指そうという戦略だ。そういった環境が完成すれば、さらにDXを有効に進めることができるようになるだろう。
強靭な半導体・デジタル産業が企業のDXの推進を縁の下で支える人材の供給源になるという期待もある。企業がDXを進めていくと大部分が内製化していくが、データセンターの運営などプロに任せる部分も残る。企業が多様な選択肢からより良いサービスを選ぶことができるようになってこそ、DXが良い形で進むようになるだろう。
2020年12月に公表した「DXレポート2」では、企業の進むべき方向性として、企業文化をゼロベースで見直し、変革し続ける企業にならなければならない旨指摘した。今後は、企業の競争力の源泉がシステムやソフトウェアによって生み出されるようになることで、システムを「作る側」と「使う側」という差がなくなっていく可能性が高い。
DXを後押しするツールを用意
多くの企業において、インターネットを使い始めた世代が経営者や幹部になってきている。そういった意味においても、世代交代によってDXを受け入れるスピードが一気に加速する可能性が高い。
経産省としては、DXを経営課題として捉えて進めていく流れを、さらに加速するように様々なツールを用意することで後押ししていきたいと考えている。
(本文一部略。全文は、経済産業新報・本紙で)