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テーマは「使いやすさ」 ~ロボット大賞・ファナック「協働ロボットCRX」開発秘話
第9回ロボット大賞で経済産業大臣賞を受賞したファナックの「協働ロボットCRX」。同社ロボット事業本部ロボット機構研究開発本部長を務める安部健一郎常務執行役員に、同ロボットの開発経緯や特徴、今後のロボット市場の展望について聞いた。
―協働ロボットCRXの開発経緯は
世界中のロボットメーカーが協働ロボットを開発・販売する中で、協働ロボットの浸透がなかなか進んでいません。その理由を突き詰めて考えた時、安全性、信頼性のほかに「使いやすさ」が不足していることがわかりました。我々の強みである安全性と信頼性を維持したまま、使いやすさを究極に突き詰めた商品が次世代「協働ロボットCRX」です。
産業用ロボットに対する安定した需要の一方で、協働ロボットに対する需要は今後、ますます増えていくことが予想されます。CRXは、そうした期待感に応えるためのソリューションとして、使いやすさを重要なポイントとして捉えて開発した商品です。
CRXの開発には、通常のロボットの4~5倍の人数をかけて、使いやすさとは何かを徹底的にブレインストーミングし、それに向けて仕様を実現していきました。重量の制約がある中で、材料の選定から肉厚をコンマ1ミリレベルで薄くするところまで軽量化を図りました。実用に耐えるアームの長さ、可搬重量を確保しつつ、重量を抑えるという発想でロボットを開発したのは今回が初めてのチャレンジとなりました。
(以下、「CRXの特徴『使いやすさ』とは」、「ロボット市場の現状・今後の展望」と続く。全文は経済産業新報・本紙 9/1・15号にて)
安部健一郎常務執行役員
1993年ファナック入社。2005年ファナックアメリカコーポレーション筆頭副社長、16年からロボット機構開発研究所所長(現・ロボット機構研究開発本部本部長)。長年にわたり、ロボット機構部の開発に従事。