社告  令和6年1月1日にM7・6の能登半島大地震に見舞われた被災者の皆様に 心よりお見舞い申し上げます。    経済産業新報社

ダイジェスト詳細

2021/10/19

フィジカルインターネット構築へ始動 2040年までの“物流危機”対策ロードマップ、年度内策定

経済産業省と国土交通省は、このほど現実化してきている「物流危機」に対し、2040年を目標とした物流のあるべき将来像として、わが国における「フィジカルインターネット」の実現に向けたロードマップ策定を目的に、「実現会議」を設置した。年度内に報告をまとめる予定。


 

フィジカルインターネットとは、物流リソースに関する情報を、各種インターフェースの標準化を行い、企業・業界の垣根を超えて共有し、保管・・輸送経路等の最適化など物流効率化を図ろうとする考え方。
欧州では、2030年フィジカルインターネットの実現を目指してALICE(欧州物流革新協力連盟)が130の企業・研究機関とともに計画を進めている。

 

 “物流危機”バブル超えコストインフレ

 

物流は社会経済の重要インフラであるが、EC(電子商取引)の急増や、労働力不足の深刻化から物流の需給バランスが崩れてきており、「物流危機」が叫ばれている。物流サービス価格はバブル期を上回り、過去最高の水準で「物流コストインフレ」が進行している。
物流コストインフレの要因の1つが、需要サイドではEC拡大による宅配便の急増とトラック積載率の低下。2つめが、供給サイドでは、深刻なドライバー不足。2027年には27万人不足。2030年には物流需要の約36%が運べなくなる試算も出ている。
その上、物流の2024年問題、トラックドライバーの働き方改革(時間外労働の上限規制)が加わる。

この会議の事務局を務める経産省商務・サービスグループ消費・流通政策課物流企画室長の中野剛志氏によれば「2010年から物流コストデフレからインフレに流れが変わり、このままでは20年代後半に物流危機を招き、ものが運べなくなり、経済を減速させてしまいGDPを押し下げてしまう」。
そして、これまでの対策とは違う、物流コストインフレ対策をすべきだという。
「今後は物流の効率化を徹底し、物流コストを圧縮しながら労働環境の改善や賃上げにより、ドライバー供給を増やすべきだ」という。

 

(続きは、経済産業新報・本紙で)