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GX推進対策費が2倍増の1・1兆円 ~超大型の令和6年度概算要求
経済産業省は8月31日、令和6年度の概算要求を発表した。一般会計(エネ特繰入れを除く)が対前年比22・6%増の4286億円、エネルギー対策特別会計が7820億円(同10・8%増)、GX推進対策費が1兆985億円(同124・3%増)、特許特別会計が1425億円(同4・8増)。合計で2兆4615億円(同45・6%増)の概算要求となった。
過去最大規模の2兆4千億円
令和6年度の経済産業政策の重点は、①産業競争力の強化・経済成長及び排出削減効果の高いGXの促進、②物価高騰下で生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の成長の下支え、③大阪・関西万博の会場整備に関する施策。④総合的な防衛力の強化に資する緩急開発、⑤福島復興の着実な実施。
これに基づいた事項要求となっている。
令和6年度は①国内投資の拡大とイノベーションの加速を通じた新たな経済社会構造への転換、②最重要課題:福島復興のさらなる加速が2大テーマとして挙げている。
①については、
(1)世界をリードする先端分野への投資促進として、まず1つはGXの実現とエネルギー安定供給の確保【1兆5241億円】
具体的には、産業部門の省エネ推進、住宅の省エネ改修を支援し、エネルギーコスト髙に強い社会の構築、ペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力はじめ再生エネルギーの最大限の活用、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発、水素・アンモニアの大規模サプライチェーン構築・利用拡大に向けた環境整備、2030年までの事業化に向けたCCS事業環境の整備、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたEV-FCV等の普及及びインフラ整備、新燃料のサプライチェーン構築、CO2のバリューチェーン構築などより包括的な資源外交の展開、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の実現などを挙げている。
2つ目はデジタル社会の実現・生成AIへの対応【1591億円】
具体的には、国際連携による次世代半導体等の研究開発の支援、ドローン航路や自動運転支援道などデジタルライフライン全国総合整備計画の策定・実施、PHRやプロググラム医療(SaMD)の推進、量子技術の産業化に向けた情報処理基盤の構築、デジタル人財育成、G7サミットで合意したDFFTに向けた国際枠組みの立ち上げ。
(2)イノベーションの推進
①スタートアップ育成・新陳代謝の促進【168億円】
具体的には、資金供給・人材確保・出口戦略の強化に向けた環境整備、国内外のスタートアップの協業の推進、Web3・0推進に向けた事業環境整備を進める。
②イノベーションエコシステムの構築【1030億円】
若手研究者に対する支援や新産業・革新技術創出に向けた研究開発の促進、宇宙開発を抜本的加速するJAXAによる資金供給能力の強化、教育イノベーションの実現、大阪・関西万博を「未来社会の実験場」と位置づけ健康・医療の日本の新しい技術・システムを世界に発信する。
③物価上昇への対応、レジリエンス【190億円】
(3)構造的課題への対応
①人手不足への対応、賃上げ、人への投資【66億円】
②地域の中堅、中小企業・小規模企業者の発展、投資環境の整備【1143億円】
(4)有志国連合による産業政策・経済安全保障
①国際秩序の再構築に向けた取組【336億円】
②経済安全保障の実現【97億円】
〇最重要課題:福島復興の更なる加速【910億円】
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