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2023/10/27

EV車向け充電器、30年までに30万口 ~充電インフラ整備促進に向けた指針(案)公表

 2030年のカーボン・ゼロの目標に合わせ、EVなどの電動車両の導入のための「充電インフラ整備促進に向けた指針」(案)が示された。充電器設置目標を倍増(30万口)、総数・総出力数を現在の10倍とする目標が掲げられた。

 政府のグリーン成長戦略(2021年6月改定)では、2030年までに「公共用の急速充電器3万基を含む、充電インフラを15万基設置する」目標が掲げられ、これまで3万基が整備されてきた。
 わが国の充電器の現状は、急速充電については、現状9000口の大半が50kW未満、平均出力は約40kW。普通充電も3kWが大半。今後は10kWの導入も含め、総主力を増強することが必要だ。
 日本の車の使われ方の特徴は、1日の平均走行距離は50㌔㍍以下が約9割。自宅で充電できれば十分な場合が多い。戸建て持ち家率が約53%と、ドイツの28%など欧米諸国と比較して高い、まず、基礎充電ができる環境を作り、必要量の公共用充電器を整備していくことが必要、としている。 今回の指針ではさらに目標が2倍となった。
 1つめは、世界に比肩する目標設定が掲げられ、現在3万基の10倍をめざすことになった。日本における電動化社会構築に向けた充電インフラ整備を加速していく。
 2つめは、高出力化。急速充電では、高速道路では90kW以上150kWを設置、高速以外でも50kWを目安とする。平均出力は40kWを80kWに倍増する。
 3つめは、効率的な充電器の設置。費用対効果の高い案件を優先し、限られた補助金に入札制を実施する。
 4つめは、規制・制度等における対応。ユーザー・事業者双方にとって、持続的な料金制度を実現し、エネマネにより商用車の充電に伴う負荷を平準化・分散化していく。
 国際的には、口数の拡大と合わせ、総出力の増加の必要性が指摘されている。IEAグローバルEVアウトルックによれば、世界の充電総出力は2030年までに、2021年の9倍になると想定されている。
 普通充電(公共用目的地充電)に関しては、2030年の目標設置目安は、附置義務のある駐車場、充電事業者、業界団体等の目標を踏まえ、10~15万口の設置を目安とする。急速充電(高速道路)については、原則1口の出力を90kW以上とし、複数口に対応した機器を設置する。概ね70㌔㍍以上間隔が開かないようにし、2025年までに1100口程度を整備する。
 普通充電の出力はJARI(日本自動車研究所)の認証基準の上限(6kW)について、2023年度見直しを行い。10kWにすることを目指す。充電器の通信規格は、公共の充電に関してはオープンプロトコルのOCCPの通信規格を推進する。
 日本の急速充電器はCHAdeMO規格に対応している充電器がほとんどである。欧州ではCCS2、米国ではNACS、中国ではGB/Tの企画が過半数を超えている。今後はCHAdeMO協議会が相互利用のためにガイドラインを作成していく、内容となっている。

 

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