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2024/05/21

半導体生産の要、半導体露光装置に「光」を供給 ~先進企業に聞く ギガフォトン

(お詫び)5/21初掲載時に誤って修正中のものが掲載されておりました。お詫びいたします。以下、正式版に差替えを完了しております。

 
 日本の半導体産業復活に欠かせない会社が栃木県の小山市にある。ギガフォトンという、半導体製造で一番重要な露光装置のエキシマレーザーを手掛けており、世界シェア50%とライバル会社と市場を分け合っている。そこで、同社の浦中克己CEO(当時)に今後の展開を聞いてみた。

 

生産キャパを250%増強中

 

 現在、同社では世界的な半導体市場は2030年に100兆円規模となるため、生産キャパシティの増強計画を進めている。1月に新生産棟が完成し2020年比で250%と生産キャパが増強された。「09-22年まで年平均11%成長を続け、22年度は過去最高(600億円)の売り上げを記録しました。30年に向けてさらなる生産キャパの拡大に取り組んでいます」(浦中会長)。
 同社はエキシマレーザーの光源をビジネスにしているが、そのうち70%は「光」そのものを売っているという。
 「我々は半導体プロセスで一番重要な半導体露光装置メーカーに極紫外線を発光する装置を提供し、そこから照射する光を従量課金で販売しています。最終的なお客さまはTSMC、サムスン、インテル、ソニーさんなどです」。

 

ギガフォトン社のビジネスモデル
ギガフォトン社のビジネスモデル

 

 光は1秒間に4千発照射されるため、1ビリオンパルス当たりいくらという契約で料金を頂く、コト・ビジネスとなっている、そうだ。「ライバルは米国のサイマー社(ASMLの子会社)だが、特許もシェアも50%ずつで分けあっている」。

 

99・7%の稼働率を提供している

 

 半導体製造装置の中でも露光装置は止められない。24時間365日99・7%の稼働率を求められており、光のメンテナンスや管理などはギガフォトンが100%任されている。
 「そのため、世界の先端半導体工場に2時間以内で駆け付けられるフィールドサービスの拠点を持っています」。
米国、中国、韓国、台湾、オランダ、日本の主に先進国にある。現在、中国に次々新半導体工場が立ち上がるので、9か所の拠点を増強中だ。

 「世界に 2000台稼働している装置をリモートで監視しています。稼働率99・7%を提供するため、ソフトウエア制御などが弊社の提供する付加価値として評価されています」。

 

(中略)

 

 「半導体は自動車、サーバー、産業機器、通信インフラの4分野に急速に需要が高まってきていますが、最先端である2㌨の半導体を作るためにも弊社の光は使われています。EUVが使われるのはごく一部ですから」。
 EUVは、13・5㌨㍍の極端紫外線を使うのだが、EUV露光装置は1台約400億円もする高価なもので、まだ2㌨の半導体が市場に出るまでにはかなり時間がかかりそうであり、そこが主流となるにはまだ10年以上先になると思われている。
 「当面の課題は、生産キャパシティの拡大とフィールドサービスエンジニア(技能者)の育成です」。
 同社の生産ラインはすべて自動化(24時間稼働)しており、残業のない会社として近隣では有名だ。先般、厚生労働省から、子育てサポート企業として、「プラチナくるみんマーク」の認証を受けている。
 こんな頼もしい半導体関連企業がいたのかと思うと、日本の半導体産業復活の日は近いと思えた小山市訪問であった。

 

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