社告  令和6年1月1日にM7・6の能登半島大地震に見舞われた被災者の皆様に 心よりお見舞い申し上げます。    経済産業新報社

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2022/03/18

ものづくり経営者からの声 製造現場の変革を目指すゼネテック

製造業のパートナーとして、長年、生産性の向上や省エネなど課題解決の経験とノウハウを培ってきたゼネテック。創業以来、着実に事業の幅を広げ、システム開発からソリューションまで一気通貫で提案ができることが同社の強みだ。その知見から、上野憲二代表取締役社長に日本の製造業の課題と事業展開について聞いた。

 


 

――2020年3月にジャスダックに上場した狙いは

上場は会社を継続的に成長させるための大切な契機だったと思います。上場したことで、株主を含む多くのステークホルダーに事業運営に関与していただくことができ、多くの方の目による会社のチェックや、課題があれば叱咤激励していただける環境になりました。私たちはその期待に応えるべく、今まで以上に公明正大、誠心誠意、事業運営を行うことを意識し、努力する体制になったと思います。

 

――日本のモノづくりの現状は

日本のモノづくり、製品そのものは世界でも最先端ですが、一方で製造業は厳しい状況に置かれています。バブル崩壊の頃に行われた設備投資によって、2000年頃まで世界トップクラスの生産性を誇っていましたが、その後は伸び悩んでしまいました。投資の停滞、建物や設備の老朽化、それに加えて少子高齢化に伴う人材不足も進んだことが原因です。

当社には、これまでに培ったソフトとハード、ネットワーク、クラウドなどの技術力、開発力があります。また、お客様のパートナーとして伴走してきたことで、モノづくりの現場も知っています。これらを活かして、ソリューション提案をすることで、製造業を活性化させたいと考えています。そのために、まずは日本の製造業の効率を高め、付加価値の高い物を作るという発想に変えていくことが重要だと思っています。

 

――3次元シミュレーションソフト「FlexSim」について

当社は2018年に米国のフレックスシム・ソフトウェア・プロダクツ社と日本総代理店契約を締結し、世界的に評価の高い3次元シミュレーションソフト「FlexSim」の販売を開始しました。

同ソフトは製造ラインや加工プロセス、物流倉庫などのシミュレーションモデルを3Dグラフィックで構築し、機械や作業員の稼働率・作業負荷、作業時間などの情報を、ダッシュボードを使って見ることができ、誰でも簡単に操作できることが特長です。製造・物流現場のデジタルツインを構築し、生産数や稼働率を最大にする最適解を導出することで、コストカットや生産性の向上を実現します。

国内でもこれまでに、トヨタ自動車などの自動車メーカー、Amazonなど物流業に加え、アパレルメーカーや、食品製造では「白い恋人」の石屋製菓などに導入いただいています。

 

FlexSim活用例-倉庫

 

FlexSim事例-工場

                        FlexSimの活用例 倉庫向け(上)と工場向け

 

(中略)

 

――今後の戦略・ビジョンは

当社はハードやソフト、ネットワークを強みに成長を続けてきました。しかし、これからは、工場にある生産システムや工程管理システム、基幹システムなど、これまで扱わなかったソリューションも、M&Aなどを通じてパートナーを増やし、事業規模を拡大することで、日本の製造業のデジタル化を推進するトータルソリューションとしての提案力を高め、業界の活性化に貢献していきたいと考えています。

そのためには、エンジニアを育成することが大事だと考えています。今まで海外に頼っていた技術を、日本国内で実現できるようにしたい。さらには、私たちのソリューションで、生産性を高めたい。そうすることで、エネルギーの削減にもつながり、カーボンニュートラルやSDGsの推進に寄与することで、より良い社会づくりに貢献したいと思っています。

 

(全文は、経済産業新報・本紙で)