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3D画像解析システムのクラウドサービス「シナプスヴィンセント」開始 ~ 富士フイルム
5日、富士フイルムの「メディカルシステム事業戦略」に関する記者会見がリアル&オンラインで行われた。昨年3月、日立製作所のメディカル事業を受け、CTやMRIなどを販売する富士フイルムヘルスケアをグループに加え、トータルヘルスケアカンパニとなった。
同社の秋山雅孝執行役メディカル事業部長は「世界的な医療需要の急増から、シナジー効果も見込め、メディカルの売上高を2026年に2010年比の2倍、7000億円を目指す」と発表した。
また、インドやフィリピンからCTやMRIの大型受注もあり、「世界170カ国に広がる販売・サービス網を駆使し、世界のビッグスリーの背中を追っていきたい」と語った。
同日、富士フイルム(後藤禎一代表取締役社長・CEO)は、CTやMRIの断層画像から高精度3D画像を描出し、解析を行3D画像解析システム「シナプスヴィンセント(SYNAPSEINCENT)」のアプリケーションをクラウドで利用できる「シナプスヴィンセントクラウド」サービスを6月下旬より、サービスを開始する、とアナウンスした。
同社は、画像診断支援、医療現場のワークフロー支援・効率化、そして医療機器の保守サービスに活用できるAI 技術の開発を進め、これらの領域で活用できるAI技術を”レイリ(REiLI)”というブランドで展開している。
「シナプスヴィンセント」をはじめ、AI技術を活用して開発した複数の機能・ソフトウェアが国内外の多くの医療機関に導入されている。
また、昨年5月から、専用ポータルサイト上で利用したい機能やソフトウェアを選択して利用できる「医療クラウドサービス」も開始し、同社のAIプラットフォーム「シナプスサイビューワ」の画像診断支援機能の一部をクラウドで提供している。
今回3D画像解析システムとして診断や治療の場で広く活用されている「シナプスヴィンセント」をオンプレミスでの提供に加え、「医療クラウドサービス」上でもその機能の一部を利用できるようにした。
このクラウドは、「脳解析」や「冠動脈解析」、「肝臓解析」といったシナプスヴィンセントの画像解析機能を「医療クラウドサービス」上で利用できるもの。
専用サーバーや高性能な専用PCを必要とせず、汎用的なPCで利用できるため、導入コストを抑えた利用(月額定額制)が可能だ。
今後も同社はアプリケーション、ソフトウェアを順次拡張していく、としている。
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