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2022/05/17

どうしたら社内の人材をDX人材に育成できるのか? ~DXの成功と失敗の本質 第5回

住友生命保険では現在、2018年から提供しているDX型健康増進保険「Vitality」をベースとしたデジタル戦略を推進している。筆者は6年前からVitalityプロジェクトに携わり、2021年よりデジタルオフィサーとしてDXの推進やDX人材育成を実施中である。前回は「DXの手段と目的の関係を正しく問う必要がある」ことを説明した。今回は、「どうしたら社内の人材をDX人材に育成できるのか」を住友生命の事例で説明する。

 


 

  • 非先端人材からDX人材へのスキルチェンジ

 

Vitalityの開発をきっかけに住友生命では非先端人材をDX人材へシフトする方針となった。効率的に人材育成をしたいと思い考えたのは「資質や行動特性、保有知識を使ったアセスメントを使って選抜できないか」である。以下に説明する「知識を測るアセスメントツール」、「資質と行動特性を測るアセスメントツール」を使ってDX企画・推進人材選定の参考として使うことにした。

 

アセスメント結果は精度を確認するため、被診断者の資質、行動特性、知識の量を良く知る上司、上長、同僚などに聞き取り確認した。結果、3つのアセスメントは実際の人材の特性や保有知識を写していると判断した。

 

実施結果は、「「DX関連保有知識」を縦軸、「イノベーティブ資質の高さ」を横軸にプロットした散布図である。注目すべきはAさんである。AさんもBさんも筆者より知識が多い結果になっているが、Bさんは新アーキテクチャー企画の仕事をしており、「DX知識を習得しやすい状況で知識が多い」のは妥当だった。

 

DX用語

 

しかしAさんはレガシーシステム担当のため、DX知識が多い状況は想定外だった。確認したところ「自己啓発でWebシステムを開発し、その過程で多くのDX知識を身につけた」ことが分かった。

 

(中略)

 

Vitality「DX塾で「ビジネスに強い人材を育成する」

 

住友生命では、システム人材とビジネス人材にビジネス発想力を持ってもらう研修プログラムを「Vitality DX塾」という名で、ワークショップ型研修を中心に実施している。ここでは、参加者による「協議」、「時間を決めて調べる調査」、議論の「発散と収拾」、「まとめ」、「プレゼン用資料作成」、「発表」、「評価」、「気づき」などを実務に近い形で学ぶことができる。

 

研修では、「「DXの定義」「ビジネスモデル理解」、「ビジネスの仕掛け理解」、「ビジネス発想」などを学べる。DX型の仕事では、これらの項目が欠かせないので研修で身につけられるようにしているのだ。研修を受けた人材のうち、DXの仕事に必要な能力を身に付けたと判断された人材は、「DXプロジェクトに順次配置する運営にしている。

 

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著者:住友生命 岸和良氏(理事・デジタルオフィサー)