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2022/09/26

業界横断で議論、今後10年間で150兆円の投資見込む ~モビリティ水素官民協議会が発足

9月8日、モビリティ水素官民協議会の第1回会合が開催された。わが国は2050年までにCN(カーボンニュートラル)の実現を目指しているが、CO2排出量のうち、運輸部門が17・5%を占めており、モビリティ分野での水素活用の予見が難しい。

 

モビリティ分野での水素活用拡大へ

 

そこで、大手自動車メーカー、運輸、コンビニ、GMS、エネルギーなどの代表者が集まり、業界横断的な議論を通じ、課題解決と「水素導入拡大」に向けて議論をスタートさせた。

今回、国交省、環境省はじめ、自工会などの各種団体も加わっている。経産省の自動車課と資源エネルギー庁新エネルギーシステム課が事務局となっている。

国は2030年CO22を46%削減するクリーンエネルギー戦略を描いているが、将来にわたり安定かつ安価なエネルギー供給を確保し、さらなる経済成長につなげるため、「点」から「線」で実現可能なパスを描く必要がある、としている。

議論の内容は、①水素利用拡大に向け、解決すべき課題、②民間投資を行う上での不確実性を減らすため、関係者間で共有すべき有益な展望・道筋、③民間投資を促すために必要な政府の対応、あげている。

例えば、需要側では利便性の高い車両の開発、供給側では水素供給コストの低減、インフラ整備などが議論される。

また、車両の製品化の予定、特に需要が見込まれる地域や用途、需要側のカーボンニュートラルに向けた計画、必要となる排出量削減量や水素利用量、削減価値の評価方法、水素の価格目標、市場規模等が話し合われる。

国側は、水素利用拡大に向けた基本的な考え方の提示、車両導入や水素利用に対する支援、車両やインフラ、水素利用に関する規制・制度の見直しなどを説明する、という。

 

水素モビリティ

 

2050年のCNに向けた投資額見込みを明らかにすると、2030年度単年で約17兆円が最低限必要となり、10年間で約150などのゼロエミション電源のポテンシャルを最大限活用できる。

また、脱炭素化が困難な産業部門(原料利用、熱需要)等の脱炭素化にも貢献できる。さらに、化石燃料をクリーンな形で有効活用も可能だ。水素から製造されるアンモニアや合成燃料も特性に合わせ活用が見込まれる。

IEAのシナリオによれば、2050年の水素。アンモニアの需要は、現在の約6倍弱、5億トン/年が見込まれている。長期的には再エネ由来水素のコスト競争力が増し、約6割のシェアとなる見込みだ。

2017年わが国が世界で初めて「水素基本戦略」を策定、EU、ドイツ、オランダも昨年以降、水素戦略策定の動きを加速させてきている。

 

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