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資源循環経済政策を検討へ、資源自律経済(CE)への移行が急務 ~資源自律経済デザイン研究会第1回開催
経済産業省は10月5日、成長志向型の資源自律経済デザイン研究会の第1回会合を開催した。世界的に循環経済関連市場への成長投資が動き出す中、成長志向型の資源自律経済の確立に向けた総合的な政策パッケージの検討が始まった。
欧州を始め、世界では資源エネルギーの制約、気候変動、廃棄物問題を背景に資源の効率的・循環的な利用を図りつつ付加価値の最大化を図る「循環経済」(サーキュラーエコノミー、CE)への移行が進行している。
一方で、カーボンニュートラルに向けた機運の高まり、ウクライナ情勢の不安定化による資源エネルギー供給不安などの情勢を踏まえれば、資源・環境・産業政策の文脈から資源循環経済政策の更なる拡充と加速化を図ることが急務だ。
日本の資源調達力が相対的に下落
今後の世界全体の資源消費量は増大の一途をたどり、世界におけるマテリアル需給はさらにひっ迫していくことが予想される。インジウムや銀などのレアメタルについては、2050年までの累積需要量が埋蔵量を超過しており、将来的にレアメタルの枯渇リスクが顕在化する可能性がある。
また、ニッケル、マンガンなどのレアメタルは特定の国への依存度が高く、資源国によって資源ナショナリズムや外交ツールとして利用する動きも活発化している。世界では、新興国の旺盛な資源需要はコモディティ価格の経常的に押し上げており、日本の資源調達力は相対的に下落傾向が続く。
日本はこれまで大量の廃棄物を海外に輸出してきたが、廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約が厳格化する一方、日本国内の最終処分場もひっ迫している。
カーボンニュートラル実現には原材料産業によるCO2排出の削減が不可欠だ。CO2の経済効率的な削減のためには循環資源活用やシェアリングや長期利用といったビジネスモデルの見直しが有効とみられる。
2030年にCE関連市場は2・4兆㌦
米国では先進企業がCEを中長期戦略として組み込み、欧州では関連規制を導入して市場形成を進めている。CE性を担保しない製品は今後、世界市場から排除される可能性がある。アクセンチュアの予測によれば、CE関連市場は2030年に4・5兆ドルに拡大する。海外を中心に新たなプレーヤーの市場参入が活発化している現状だ。
資源輸入のリスクに対応する抜本的な資源生産性の向上、環境対応に向けて、資源の再利用・再資源化、生成、共有、長期利用が必要となる。加えて、ライフサイクル全体での動静脈産業の連携を図りつつ、循環に必須となる情報流通を促進して循環度を見える化することで市場を創出、成長機会をつかまなければならない。
研究会は令和5年3月頃までに7回程度開催され、「資源自律」の重要課題、官民挙げて取り組む意義・動機付け、枠組みの明確化について議論を進め、成長志向型の資源自律経済の確立に向けた総合的な政策パッケージを検討する予定だ。
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