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イノベーションボックス税制を早急に導入せよ ~投資促進研究会が中間報告
経産省では、わが国のイノベーション拠点としての魅力向上により国際競争力を強化し、「わが国の民間企業によるイノベーション投資の促進に関する研究会」(座長・土居丈朗慶大経済学部教授、東京財団政策研究所研究主幹)を今年4月より開催し、「イノベーションボックス税制(国内で開発された知的財産から生じる所得に対する優遇税率の付与)」の設計について論点を整理、このほど中間とりまとめた。
この目的は、民間企業によるイノベーションへの資金循環を促進するために必要な施策の検討にあたる。この税制は、特許権や知的財産権で得られた所得について、優遇税制を適用することにより、イノベーション投資を促す制度である。
同研究会では、「この税制は既に、欧州やアジアの主要国において、標準装備の税制となりつつある。劣位となった制度環境では、イノベーション循環を力強く、速やかに回し続けることは困難」とし、速やかに導入することを提言している。
各国政府は、成長の源泉としてのイノベーションを促進するための環境整備に大きな政策努力を傾注する中で、グローバルなイノベーション拠点の立地競争が起きている。
グローバル化が進んだ今、企業のイノベーション投資は熾烈を極めている。各国はイノベーションの成果を経済に取込み、生産性向上、投資促進、良質な雇用環境を生み出している。そして、企業の競争力強化、産業競争力の強化につなげている。
報告書では、この税制が租税回避の手段として利用されうる側面もあり、主要導入国らはOECDが2015年に議論した「修正ネクサスアプローチ」に対応し、制度を変更して実施している。
またそれ以外の議論では、研究開発税制において、ソフトウエアの開発に対するインセンティブが弱いとの指摘がなされた。
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