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産業道路を20分の走行実験 ~川崎市で初の大型バス自動運転
川崎市内の産業道路で、初の大型バスの自動運転実証実験の運行が10月23日に行われ、関係者、マスコミなどが試乗する出発式が行われた。
これは、川崎鶴見臨港バス(平位武社長)が代表幹事を務める、「KAWASAKI新モビリティサービス実証実験協議会」が実施している。27日までの5日間行い、様々な課題を抽出し、本格的な自動運転バスの実現を目指している。
運行期間は、臨海バス塩浜営業所~産業道路~大師橋駅間の往復6㌔、約40分。1日6往復。自動運転レベルは、レベル2(運転士が乗車し、状況に応じて自動・手動を切り替えて運転)。
事業パートナーには、自動運転システムのオープンソフト「Autoware」や3Dマップ(高精度3次元地図)の作成を担当するアイサンテクノロジー、遠隔化システムを東海理化、リスクアセスメントなどを損保ジャパンが担当。車両技術は、埼玉工大が日野レインボーⅡをベースに提供。
このバスは深谷市で既に年間1万キロの走行実績があり、先の西新宿の実験でも使われている。物との距離は測るLiDAR(ライダー)5機、位置情報用GNSS2機、IMU(姿勢制御センサー)1機、が装備されている。
この協議会は、国交省の令和5年度共創モデル実証プロジェクトに採択されている。出発式に来賓として挨拶に立った福田紀彦川崎市長は「2024年問題があり、川崎の大動脈の産業道路の運行に支障がでると大打撃です。この実験をPoC(概念実証)だけに終わらせず、必ず実現させます」と力強く宣言した。
その後、市長ら来賓と関係者、マスコミ一行がバスに試乗。交通量の多い、産業道路を自動運転バスで走行した。高架下や背の高いトラックが脇を走る、自動運転の条件としてはかなり厳しい環境ではあるが、ここでの課題を1つ1つクリアしていけば、自動運転バスの走行がいつか実現していくことになろう。
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