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イノベーションの最優先課題はESG投資 ~KPMGグローバルテクノロジーレポート
KPMGコンサルティングは、世界16カ国、資本金1億円以上の企業、約2100人の経営層を対象に、同社が独自に行った調査を基に、「KPMGグローバルテクノロジーレポート2023」の記者発表会を開催した。
企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の現状と課題、デジタル化先進企業から学ぶ教訓などとともに、テクノロジーリーダーや業界を代表する専門家へのインタビューの内容をとりまとめた。
解説を行った同社DXマネジメントユニット統括パートナーのユン・チャン氏によると、6つのポイントがあると示された。
1つめは、ESG投資がテクノロジーイノベーションの最優先課題となり、回答の72%を占めた。2つめは、先端テクノロジー導入への賛同が昨年の4倍の38%へ飛躍的に増加した。3つめは、AIと機械学習は引き続き注力領域となっている。
4つめは、DXの効果は期待を上回る成果を上げ、回答の多くがDXの取り組みが10%以上の収益や業瀬向上を実現したとしている。5つめは63%がサイバーセキュリティとプライバシーの改善が、ロイヤリティを高める優れた顧客体験を提供することに役立つと回答している。
6つめは、DXの進捗を脅かすものは文化とコラボレーションの欠如であり、DXを成功させるには、経営層の積極的な支持が不可欠である。71%がテクノロジー部門を多様化することで、より幅広くビジネス部門とのコラボレーションを促進できると回答している。
デジタルリーダーの定義では、既にテクノロジースタックを構築しており、それを活用すれば組織がDXを通じて目標を達成できる確信をもっていることと、既にテクノロジー投資から収益性や業績が向上していると答えた組織が330社あったが、日本は100社中4社のみであった。この点が気になる調査結果ではあった。
このグローバルテクノロジーレポートは、同社が20年以上にわたりCIO(最高情報責任者)とテクノロジーリーダーを対象に実施してきた「CTO調査」の調査対象範囲をより幅広い経営層へと拡大し,KPMG独自のレポートとして2022年から発刊を開始したものである。
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