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2024/04/17

2025年に2ナノ試作ライン ~経産省、ラピダスに590億円の追加支援

 経産省は、先端半導体の国産開発を目指している「ラピダス」の北海道・新工場に対し、新たに最大5900億円の追加支援を決定した。これにより、既に決定している分を合わせると、約9200億円となることがわかった。

 

 同省が追加承認したのは2024年度の計画。ラピダスは、IBMやimecとの共同研究を継続し、2nm(ナノ)の量産を意識した製造プロセスの精度改善や製造拠点への装置導入などを行う。斎藤経産相も閣議後の記者会見で「最近のグローバルトレンドでは後工程の重要性が増している。今後1年がとても重要だ」と述べた。

 今回取り組んでいる次世代半導体は、生成AIや自動運転など産業競争力のカギを握るキーテクノロジーで、日本の今後にとってもとても重要な半導体である。

 今回の支援は、千歳市の2025年試作ライン建設に向けたクリーンルーム稼働やEUV(極端紫外線)露光装置などの製造装置導入に活用される。採択された「2nm世代半導体チップレットパッケージ設計・製造技術開発」では2nm世代の半導体の大型化、低消費電力化を実現する実装・量産技術、デザイン期十、先端チップレットパッケージの設計・製造技術を開発する。

 

ラピダス千歳事務所
ラピダス千歳事務所

 

 同社の小池淳義社長(写真)は「設計支援から前工程と後工程を一貫して行う、短TATでの半導体製造であるRUMSによる構築を必ず成功させる」と明言した。

 経済安全保障の観点からも、バーゲニング・パワーとして「次世代半導体」技術を確立することは、日本の今後の産業競争力にとっても非常に重要な課題だ。これにより、日本の産業の復権が期待される。

 

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