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ドローン、自動運転、インフラDXの3つ先行 ~進むデジタルライフライン整備計画
政府の8省庁、17局長が参画している「デジタルライフライン全国総合整備計画」の2024年度から実装していくアーリーハーベスト(先行する)プロジェクトの概要が見えてきた。
この計画は、人口減少が進む中、デジタルによる恩恵を全国津々浦々に行き渡らせる、約10年プロジェクト。中でも、アーリーハーベストプロジェクトは、デジタル完結を原則として、官民が集中的に大規模な投資を行い、共通な仕様と規格に準拠したハード・ソフト・ルールを先行的に整備していく。
ドローン航路では、埼玉県秩父地域の送電網上空、静岡県浜松市天竜川上空の180キロメートル。自動運転サービス支援道では、新東名高速道の駿河湾沼津SA~浜松SA間、一般道は茨城県日立市(大甕駅周辺)の100キロ㍍。
インフラ管理のDXでは、埼玉県さいたま市と東京都八王子市の200平方キロ㍍以上が想定されており、情報処理基盤等(スマートタコ足)やモビリティ・ハブ(ターミナル2・0、コミュニセンター2・0)3D地図、データ恵連携システム(ウラノスエコシステム等)、共通データモデル・識別子(空間ID等)、公益デジタルプラットフォーム運営事業者認定制度やアジャイルガバナンスを整備していく、という。
デジタルライフラインでは、釧路のビールの共同配送のように、共通領域と競争領域をしっかり理解して進めていく必要がある。
これらアーリーハーベストの成果を踏まえ、先行地域の面的な整備及び地域の拡大を行う。そして、各プロジェクトの全国展開に向けて、拡大・延伸する箇所をKPI(重要業績評価指標)として設定、各ユースケースで生み出される経済効果をKGI(目標達成指標)としている。
アーリーハーベストにおけるユースケースの展開のみを算出すると、10年間の累積経済効果は2兆円と推定されている。デジタルライフラインの全国普及に向けては、国民の理解・賛同といった社会受容性の情勢が不可欠である。
このプロジェクトを担当している経産省商務情報政策局の和泉憲明アーキテクチャー戦略企画室長によれば、「社会受容性を高めるには、デザインフォーマットの共通化や語り掛け(ナラティブ)など動画やイラスト等を駆使して、わかりやすく訴求し、中長期的にはさまざまなニーズを踏まえて、期待を醸成していく必要がある」としている。
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