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2025/10/22

“走るスマホ”SDVの展望

投資やコスト増に直面するカ―メーカー
幻想からの脱却が必要
どの段階でSDV開発を止めるか?



 KPMGコンサルティングは、ソフトウエアで車両性能を追加・更新できる次世代車「SDV(ソフトウエア・ディファインド・ビークル)」の現状・課題と今後の展望について解説する記者勉強会を開催した。

 同社の轟木光自動セクタープリンシパルが、トピックスとして、①SDVの進化の歴史、②SDVがユーザーにもたらす価値、③SDVのビジネス評価とその将来性の考察について解説した。米国や中国など海外の自動車メーカーがSDVでは先行しているが、最近は日本の自動車メーカーもSDV車の発売を発表するなど、注目を集めている。

 一方で、現在のSDV開発においては多くのOEM(完成車メーカー)が「売上増」ではなく「投資増」や「コスト増」に直面しており、「SDVを“走るスマホ”と捉える幻想から脱却し、本質を見極め、利益を生むための戦略が求められている」と述べた。

 また、SDVのデータの権利、利用、安全、改版履歴を契約と技術で管理する仕組みが業界全体で必要だが、各メーカーの動きはバラバラであり、サービスとしてユーザーにもたらす価値の訴求が弱い。「ましてや、約10年使う自動車に比べ、15倍の市場があるスマホの買い替え期間は半分と短い。これでは利益の出せるSDVビジネスが成り立たない。各自動車メーカーはどの段階でSDVを止めるかが求められている」と懐疑的な考えを示した。
[図表:スマートフォンのライフサイクルとの比較]

[図表:スマートフォンのライフサイクルとの比較]