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2020/12/10

気候非常事態ネットワーク設立

カーボンニュートラル実現へ

気候危機の認識共有

 


気候非常事態宣言とカーボンニュートラル社会づくり支援ネットワーク(CEN、気候非常事態ネットワーク、山本良一設立発起人委員長)の設立総会が11月18日、帝国ホテルにおいてNPO法人ゼリ・ジャパン(更家悠介理事長)の主催で開催された。


 

設立総会では、更家悠介NPO法人ゼリ・ジャパン理事長が気候非常事態ネットワークの設立経緯について説明するとともに、菅義偉首相の2050年カーボンニュートラル宣言に言及し、「気候非常事態ネットワーク」を設立し、認識を統一して、日本政府、地方自治体、学界、企業人がタッグを組んで、カーボンニュートラルを何としても達成しなければなりません。気候非常事態ネットワークには現在、227名(発起人会員190名、一般会員37名)が加入しているところ、会員をどんどん広げていきたい」とあいさつした。

 

つづいて、設立発起人委員長の山本良一東京大学名誉教授が基調報告を行い、気候非常事態を宣言してカーボンニュートラル・アクションプランを策定・実行する運動が世界的な潮流となっていることを紹介し、「日本全国で気候非常事態宣言を行い、カーボンニュートラル・アクションプランを策定・実行する運動を国民運動として展開していくことが気候非常事態ネットワーク設立の目的です」と設立の意義を強調した。基調報告によれば、世界では英仏など12の国家(EUを含む)と1836の自治体が気候非常事態宣言を行っており、日本では42の自治体が気候非常事態宣言を行い、171の自治体が2050年カーボンニュートラルの目標を表明している。

 

幸せ経済社会研究所の枝廣淳子所長が「気候危機の時代を生きる グレタの思いに応えて」、フューチャー・アース国際事務局グローバルハブ日本ディレクターの春日文子氏が「環境危機の重なりが招く持続可能性の崩壊を防ぐために」と題してそれぞれ講演を行ったほか、株式会社日本能率協会コンサルティングの亀ケ森昌之取締役による同社編集の「気候非常事態行動計画作成ガイドブック」に関する解説などが行われた。

 

祝辞を送った小池百合子東京都知事は、新型コロナウイルス対策と同様に気候変動についてもサステナブル・リカバリー(持続可能性にも配慮した経済復興)を目指す必要があるとし、東京都によるカーボンニュートラルに向けた取組状況を紹介して、「気候非常事態ネットワークには、宣言を実行に移すというアクションをサポートしてほしい」と述べた。また、小泉進次郎環境大臣は、ビデオメッセージを寄せ、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて「今回設立される気候非常事態ネットワークが取り組みをさらに進めるプラットフォームになることを期待しています」と祝辞を送った。

 

気候非常事態ネットワークは、当面は任意団体として設立発起人委員会が運営に当たり、気候危機に関心の深い団体、個人、企業、行政等の情報交換、幅広い連携のための場として、気候非常事態宣言やカーボンニュートラル・アクションプラン等の情報の普及に努めていく。