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2021/05/10

AI最新事情 日本の不動産市場にAIを持ち込んだNeoX社代表 何書勉氏に聞く

NeoX株式会社
代表取締役

何 書勉(ホー・シュウメン)氏

――何さんに会うのは5年振り。以前は不動産投資販売会社のプロパティエージェント(社長・中西聖氏)に在籍していたが、なぜ日本でNeoXを立ち上げたのか

当時は、プロパティエージェントの執行役員としてAI(人工知能)による不動産価格推計システム「ふじたろう」の開発を進めていた。2007年に京都大学大学院の博士課程を修了した後、楽天技術研究所、グリーで働いたが、米国で急成長していたZillow(ジロー)の「Zesimate」のような不動産価格推計システムを日本でも開発する動きが活発化。プロパティエージェントの中西社長から声がかかって2015年に入社し、独自のアルゴリズムで「ふじたろう」を開発した。

その後、中西さんが外国人投資家に日本不動産を販売するインバウンド事業を始めたいというので、2016年8月に中国に渡って市場調査を開始した。それまで不動産ビジネスのことはほとんど知らなかったが、「不動産は面白い商売だ!」ということに気付いた。しかし、9月に帰国すると会社の方針が変わってインバウンド事業は中止になった。

――なぜ方針変更になったのか

当時の日本では不動産販売にITが本当に役に立つのか半信半疑だったのではないか。ITは情報の伝達と整理に大きな力を発揮する。人間がやり取りしていることを全てIT化すれば大幅なコスト削減ができると確信していたので、急な方針変更に戸惑った。

当時、中国の有名なビジネススクールでビッグデータとAIの客員教授もやっていた。ビジネススクールに在籍していた中国人の起業家から勧められて「自分でやってみよう」と独立を決意。2016年12月にNeoX Jpan、翌月に私の郷里の中国・上海にNeoX Chinaを設立し、2017年2月から事業をスタートした。

(さらに、NeoX社立ち上げ以降の話が聞かれます。続きは本紙で)