政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


――香料産業統計による今年の現状はいかがですか?

昨年の香料統計の販売額が前年を少し上回り2000億円を回復しました。日本は世界の10%のシェアを占めています。一咋年は5月の連休の天候不順と消費税値上げの影響で特に飲料向けの落ち込みが大きく2000億円を下回っておりました。今夏は何とか「猛暑」が期待できますので明るい希望を持っております。

――天然香料の価格が高騰しています。業界に与える影響は?

最近の天然嗜好の意識の高まりは加工食品にまでおよび、そのために天然素材の需要は世界的に増加しているようです。香料業界もその影響を受け、柑橘系とバニラなど需給バランスで価格の高騰が見られていることは事実です。天然素材は天候状況、為替などが直接影響して常に不安定な相場を形成してます。なかなか日本にいてコントロールすることは難しいです。

――国内市場が成熟期にあり、思ったほどの伸びが期待できません。海外市場展開の業界の動きは?

香料に関しては日本と欧米は各々法規制が異なります。食品は文化の違いもあり、それぞれ規制に違いがあるのは仕方がないです。しかし、海外でも共通して使われる汎用の香料が日本では少なくて、厳しいと思います。各国共通に使える香料を増やしてくことは最優先の課題であります。行政も理解してくれまして、5月の食品香料の指定について新しい評価手順が決まったことは明るいニュースです。
もう1つは国内市場が減少していくなら世界市場で戦うという発想があります。その時のベースは、食品フレーバーです。私はこの分野は世界ナンバーワンと自負しています。特に東南アジア、中国への市場拡大は喫緊の課題として取組は進んでおり、宗教上の対策として、ハラール対応を実施している企業はかなりあります。食品フレーバーに関しては、これからますます伸びていくと確信しています。昨今の中国からの観光客による爆買いに見られるように、特定の狙った商品を買っていくという現象を考えると、日本の製品の良さを認識してお土産としているのでしょう。日本発の製品の需要は充分あると考えています。

――食品フレーバーの分野は世界的なレベルと聞いておりますが?

香粧品は欧米にはかないませんが、食品フレーバーのレベルは世界一とみています。飲料分野の香料開発だけでも年間約1000品目が生まれ、3品目程度しか市場に残りませんが、997品目の開発は無駄にはなっていません。その開発で培った技術力は、世界の嗜好やニーズに対応する源になっているのです。 たしかにコンビニのコーヒーにより影響を受けているのは缶コーヒーメーカーです。他社との差別化からコーヒーフレーバーが使われ、1つの香料ジャンルとして育ってきました。今のコンビニコーヒーは100円で見事と言えるくらい美味しいです。缶コーヒーは殺菌をするため、どうしても香りが若干、落ちてしまう面がありました。しかし、メーカーは再び、見直しを始めています。需要家の期待に応えるよう商品価値を高めるため、我々香料業界も開発の努力を重ねております。今後、コンビニコーヒーを凌駕するものが出てくると思います。「大変だけど、次のステップのための良い刺激」と受け取るむきもあります。今の状況は、レベルアップのための試練と受けとめています。
最近スーパーなどで見かけますが、内食ブームでの冷凍食品は、再加熱することなくお弁当に使える食材、具付き麺類、チャーハン、惣菜など多種多彩です。飲料でもフレーバーを使ったノンアルコール飲料、高アルコール飲料の品揃えが豊富です。まだまだ日本の香料市場は広がると期待しています。

――今後の香料産業の見通しは?

日本には100年以上続いている企業が2万社あるそうです。香料産業にも100年近く続いている企業がたくさんあります。共通しているのは中小で、身の丈にあった経営を行い、人と技術を大事にしている点です。日本の香料産業は世界に向けて安心・安全をベースに企画開発、技術力を広げていけば、ますます信頼され成長していくと考えています。

 

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