政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


☆トレンド
世界に広がるTRON
リアルタイムOSと組込み産業

 東京大学大学院情報学環教授
 坂村 健氏に聞く

スマートフォンに代表されるモバイル機器のOS(オペレーティング・システム)のシェアはアンドロイドまたはiOSで大半を占める。これらはリナックスやダーウィンといったUNIX系のオープンソースソフトウェア(OSS)上で作動する方式であるため、いまや世界中の携帯電話の大多数がOSSのソフトを使用し、作動するようになってきた。
 日本の携帯メーカーは以前より、ノウハウの流出を恐れ、組込みを扱うソフトウェア人材を囲い込んできたが、市場が全世界レベルとなり最早、「囲い込み」戦略は通用しなくなった。
 「スマートフォンに使われるモジュールのうち、ハードウェアを直接コントロールする部分ではリアルタイム処理が求められる。特に電波コントロールとGPUなどのグラフィックスやサウンドの部分ではリアルタイム処理が必須だ」。
 この分野では、オープンアーキテクチャで広げてきたTRONが圧倒的に使われている。半導体チップは機能が多様化しSoC化してきている。「TRONが使われる分野はノウハウの固まりであり、家電や車のエンジン制御やロケットの姿勢制御などエンドユーザが意識しない部分だが、社会を支える上でこれからも重要な分野だ」。
 これから日本がとるべき道は次の通りだという。「多くのコンシューマ向けの製品でコモディティ化が進む。どこでも作れるようになれば、価格が安く作れるところに向かうだろう。しかし、未だに日本には製造装置産業や部品産業などの強い分野があり、そこは守り育てるべきであろう。しかし、米国のように古い企業が退場して、新しい企業が大きくなるような環境でないため、日本ではダイナミズムを失った大企業が優秀な技術者を抱え込む傾向がある。これが結果的にイノベーティブな新しいものづくり企業を生まれにくくし、日本の競争力を低下させている」。
 「優秀な開発系の人材が大企業に死蔵されないように、組織ではなく『個』を重視した政策を打ち出すべきだ」。というのが坂村氏の自論だ。
 特に、これからユビキタス・コンピューティングやIoT (Internet of Things) とかM2M (Machine to Machine) といったコンセプトが実現し、すべての機器・設備・製品をネットワークに繋ぐ時代になるだろう。ネットワークに繋ぐものがパソコンやモバイル機器だけでなくなったとき、イノベーティブな新しいものづくり企業に大きなチャンスが生まれる。そのときに必要とされるのが優秀な組込み系のソフトウェア技術者だ。・・・>申し訳ありませんが、この続きは本誌でご覧ください。

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