政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


バニラの香りは乾燥させた果実より抽出する

バニラの香りは乾燥させた果実より抽出する

あらゆる食品や化粧品に欠かすことができない、香りを添加する香料産業。
この産業の発達度合いが「その国の文化レベルのバロメータである」とも言われている。
付加価値が高く、きめ細かい香りが日本の競争力になっている。

加工食品や石けん、歯みがきなどの生活用品に顔を寄せると、ほのかな香りを感じる。食欲をそそるおいしそうな香り、清潔さのイメージを広げるさわやかな香り、化粧品には男らしさ、女らしさをアピールする香りなどがある。
これらの香りは、それぞれの製品の素材に由来するものを除けば、ほとんどが香料によって付加されたものである。
香料は、我々の暮らしに欠かせないさまざまな製品にふさわしい香りを付けるための材料ということができる。
食品に使われる香料を食品香料(フレーバー)といい、石けんや化粧品などに使われるものを香粧品(フレグランス)という。動物、植物から取り出した香り物質は天然香料、その香り物質を構成している化学成分を有機化学的に合成して作りだしたものが合成香料と呼ばれている。
草花、果実あるいはコーヒーや紅茶などの香り物質は、数百の化学成分によって構成されており、1種類の化学成分だけでは良い香りにはならない。
合成香料は、単独で使われることはなく、自然界の香りをモデルにして、数百種類を組み合わせて使用する。
この組み合わせを調合というが、実際には天然香料も、そのまま単独で使うことは少なく、ほとんどが他の天然香料や合成香料を混ぜ合わせて使用する。これを調合香料という。

パヒューマーとフレーバリスト

どちらも専門的な知識と長い経験が求められる職業で、専門的な科学的知識に加え、優れた嗅覚と感性、想像力が必要である。
さまざまな製品に使われる香粧品香料の香りを作るパヒューマーは、一人前になるまで5-10年かけて調合の原料となる500種類を超える香料を記憶し、香料の組み合わせ(アコード)の訓練を行い、香料の調和を学ぶ。
実際に商品となる香りを創るためには、化粧品や石けん、芳香剤、入浴剤など、香りをつける製品の特性や市場動向を十分に把握し、消費者に受け入れられる香料を創る必要がある。思い通りの香りを創る豊かな想像力が求められる。
さまざまな食品をよりおいしくするための香り素材を分析し、組み合わせるフレーバリストは、香りを嗅ぎ分ける訓練を行い、香りを評価することを覚え、何十種類もある香りの表現方法とその感覚を身につける必要がある。
香りを口に入れたときの舌や口腔粘膜の感覚や鼻に抜ける香りを知るには、さまざまな香りの溶液を使った口中テストが必要である。
実際に食品を創るには、テストで絞り込んだ香料を使って試作品を作り、何人かのパネラーの試食テストで判定を受け、保存試験や香料としての安全性、嗜好性も十分にチェックされる。

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