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MIGAシンポ 為替大変動、資本の大移動に備えよ

イアン・ブレマー氏

イアン・ブレマー氏

4月23日、東京・神田駿河台の明治大学国際総合研究所(MIGA、林良造所長)は3周年を記念して、グローバルホールにおいて、「MIGAシンポジウム2014」を開催した。
テーマは「アジア太平洋の今後―不確かな協調か」。林所長は「アジアにリバランスした米国と台頭する中国が織りなす『新型大国関係』がいかに展開し、その政治・経済関係の変化に伴う、機会とリスクはわが国にどのように影響してくるのか、アジア太平洋地域の安全保障や経済問題の第1人者を集めて皆で勉強したい」と挨拶した。
第1部は日本と新しい大国関係―機会とリスクをテーマに、ユーラシアグループ代表のイアン・ブレマー氏が基調講演に立った。「オバマ第2期政権はアジア重視ではない。ロシアはウクライナ問題から欧州の大国の道をあきらめ、アジアシフトを強める。その1つが東シベリア開発に中国の50億ドルの資金提供を受け入れる。また、欧米のロシア経済制裁は失敗するだろう。中国やインドの武器の多くはロシア製であり、孤立化は無理だ。日本は間にはさまれて大変だ」と述べた。
また、海上自衛隊の幹部学校長の福本出氏は「中国海軍の脅威がよく述べられるが、海洋は境がなく、国際ルールに沿わなければならなくなる。そのため、中国がシーパワー国家になれば、より開かれた国になるので、良いことだ」とする現役自衛官の発言は貴重だった。
第2部のテーマは日本と新しい経済連携-機会とリスク。元外務大臣で明大特任教授となった川口順子氏が司会を務め、グレン・フクシマ氏(米国先端政策研究所上級研究員)が基調講演に立った。「日本はTPPに対し、リスクに着目するが、加盟せず、孤立する方がリスクは高い。中国はいずれ加盟してくるはずだ。そうすれば、経済主要国として責務も出てくる。問題が起きた時の解決のメカニズムを作っておくことは重要だ。世界はパワールールからルールベースになりつつある。コーデル・ハルは『平和に貿易する国同士は戦争をしない』といっている」と発言した。また、津上俊哉氏(津上工作室代表)は「日本企業はこれからの中国の変化に備えるべきだ。新しい成長ドライバーにTPPを必ず活用する。そのための為替の大変動、資本の大移動が起きる」と述べた。 安全保障と経済の今後の課題を一元的に聞けた貴重なシンポジウムであった。

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