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20万人の移民奨励に好感

社会構造の再設計に期待

-日本を見る世界の眼 6月前半-

この時期の対日海外論調は、今月末に策定される予定の成長戦略に注目が集まった。その中でもアベノミクスにおいてこれまで成案が見られなかった人口動態、法人税を中心に、女性の社会進出、外国人受入れ等日本の社会の今後のあり方を問い、一層の日本の構造改革への取り組みを求める論調が目立つ結果となった。
6月1日付けエコノミスト誌は、安倍首相が2012年に政権に返り咲いて以来、日本を長期にわたるデフレスパイラルから脱却させることに注力してきた反面、人口動態への対策を政治的課題にすることは比較的遅れており、安倍氏は何らかの対策をとる必要に迫られているとしている。
今後50年間で現在1億2700万人の日本の人口が3分の2に減少するとする日本政府の試算を引用しながら、人口動態で最大の課題は、「急速に収縮する労働人口が、増え続ける高齢者人口を支えられなくなること」であり、これに対し、日本政府は出生率を引き上げや、労働力不足を補うために、工場や高齢者向け介護施設で運用できるロボットの開発など「依然として使い古された案」を持ち出してきていると分析している。
最近では安倍氏が女性の職場復帰に関心を持ち、公立保育所を増設する計画を打ち出したものの、働く女性にとって大きな障害は長時間労働をはじめとする日本の企業文化であり、安倍政権の施策と現状にズレがあることを暗に批判しつつ、今、日本に求められるのは社会構造の全面的な再設計であると主張している。
同時に、安倍政権がこれまで日本が避けてきた大規模な移民の受け入れについては、日本政府が2月に、2015年以降新たに年間20万人の永住移民を受け入れるよう奨励する報告書を発表したことについて、「解決策を検討していることを示唆する兆候が見られる」として好意的な評価を示している。
一方、法人税について、6月14日付けウォールストリートジャーナルは、日本の法人税率は先進国の中で米国に次いで「高い水準」としながらも、安倍氏が13日に現行の法人実効税率を来年度から数年間で20%台に引き下げ、成長戦略の柱とする方針を表明したことは、税率が引き下げられれば欧州の多くの国と同水準になり、日本の競争力強化にも役立つ「いいニュース」であると率直に評価した。
しかしながら、安倍氏の首相就任後、設備投資減税や研究開発費減税の拡大など税制の「歪み」が生じており、主に中小企業向けである控除の縮小など法人税を引き下げによる税収減を補うため幅広い税制改革を提案することについては「政治的に注意が必要」であるとした。それでも、法人税の実効税率の引き下げ、課税ベースの拡大、租税特別措置の縮小は日本経済全体にとってはプラスに働くとしている。

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