政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


進化するヒューマノイドロボット

木内里美(株式会社オラン代表取締役)

着実に進むロボットの世界

15年くらい前のこと、ソニーのAIBOの開発者から聞いた話はワクワクするような話だった。「一つの技術が完成するのにはおよそ50年の歴史が必要だ。飛行機やコンピュータもそうであった。ヒューマノイドロボットは2050年の完成を目指している。」という話だった。
日本のヒューマノイドロボットの歴史の始まりは17世紀ごろに始まるからくり人形かもしれない。ぜんまいと歯車で作られた機械仕掛けのお茶運び人形は子供心をワクワクさせた記憶がある。車輪で動く仕掛けから四足歩行、二足歩行、自立二足歩行へと進化する過程で、センサーやアクチュエータやコンピュータプログラミングなどが進化し、ロボティックスという工学分野の研究も盛んになった。
最近の製造業の工場を見学すると産業ロボットの進化も素晴らしい。7軸ロボットくらいになると人の動きにとても近い。人と共存するヒューマノイドロボットとは制御技術は異なるだろうが、アクチュエータの開発などは共通するように思われる。
2050年のゴール
AIBOがヒューマノイドロボット開発過程で活かされたという話は、日本人研究者から提案されたロボカップ(ロボットによるサッカーワールドカップ)の4脚ロボットリーグにAIBOが共通のロボットとして採用されたことによるようだ。ロボカップのゴールはFIFAのルールに従って自立型ヒューマノイドロボット11台で、ワールドカップチャンピョンチームと戦い勝つことだそうだ。
1997年にコンピュータがチェスのチャンピョンに勝ち、2011年にワトソン君がジェパディというクイズ番組でクイズ王に勝ったように。96年にホンダからヒューマノイドロボットP2 が公開されたとき、それは衝撃だった。その後のASIMOに引き継がれた進化はさらに驚きを与えてくれる。ロボット分野の日本の技術力はまだ高いレベルにある。ヒューマノイドロボット開発は限りなく人間に近づいていき、共存しても違和感のないように音声認識や表情や人工皮膚などの研究も盛んに行われ、人間に酷似したアンドロイドロボットへと進化を続けている。
2050年にロボカップチームが人間のチームに勝つ時には、それぞれ性格や特徴の違った11体のアンドロイドロボットがワールドカップトロフィーを掲げるのだろうか。その頃の日本は高齢化が進み、高齢化率は40%を超え、生産労働者率は50%になると予測されている。アンドロイドロボットが医療や介護や農業や物流に活躍している姿が夢のように浮かんでくる。

 

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