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2025年81億人、都市集中
グローバル市場視点 やはり内燃機関が主流に

 このほど経産省自動車課が「自動車産業戦略2014」をまとめた。自動車産業はわが国のリーディング産業であり、高い競争力を持ち、貿易黒字の約5割を占める外貨の稼ぎ頭でもある。今後10年~20年の動向を中心に展望している。

自動車産業は製造業出荷額では47兆円と全体の約16・4%を占め、就業人口も548万人という、「国民産業」であり、「ブランド」でもある。今回の狙いは、今年6月に閣議決定された「日本再興戦略2014」において、自動車産業戦略2014の策定の指示を受け、とりまとめられたもの。
過去2回、平成22年に「次世代自動車戦略2010」、23年に「日本経済の新たな成長実現を考える自動車戦略検討会中間とりまとめ」が策定されてきたが、今回、これらで示された方向性を承継しつつ、幅広い観点で捉え、補強・発展させたものとなっている。
今後の「環境・エネルギー制約」に加え、特に自動車ユーザーの変化について、グローバルな視点で分析を行い、めざすべき方向性を4つの戦略として提示した。
1つは、世界の人口は新興国を中心に増加し、2025年には81億人に達する見込みである。所得水準も現在の先進国の水準に近づくと、自動車市場は過去に経験したことのない急速なペースで成長する。例えば、2025年には500万人以上のメガシティが70都市以上となり、世界人口の5分の1、GDPの65%が集中する。このようなグローバルな市場動向を見据えた「グローバル戦略」。
2つめは、世界の膨大な要求に応え、競争力を保つには、産官学が連携した産業基盤や人材育成の仕組みを強化する「研究・開発・人材戦略」。
3つめは、高齢化や都市の過密化、地方の過疎化など車単体での解決策は限界に達しつつある。道路、情報通信、公共交通といった社会インフラとのシステム化、福祉や都市計画との連携、「安全の確保」などを主体的な役割を果たし、新たな価値の創造を主導する「システム戦略」。
4つめは、四輪車以外のモビリティの特性に合わせた「二輪、バス、トラック、フォークリフト・運搬車両機器戦略」が必要としている。
グローバル戦略では、わが国の自動車メーカーの世界シェアは31%で世界最大であるが、中国や欧米諸国など十分シェアが確保出来ていない地域や市場獲得出来ていない地域も多い。
IEAによれば、2035年でも内燃機関自動車のシェアは84・4%、電気自動車11・2%、電気自動車4・4%であり、世界最高レベルの内燃機関技術を持つわが国はその維持、発展に務めることが求められる。また、日本製中古車は年間100万台以上輸出されており、ジャパンブランドを維持するためにも、国際的な中古車・中古部品を含めた国際的な自動車流通について、今後の検討が必要としている。

自動車産業戦略2014の概要

自動車産業戦略2014の概要

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