政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


VUCA時代を乗り切れ!

木内里美(株式会社オラン代表取締役)

混沌たる世界
世の中が混沌としている。10年刻みで時代をみても、だんだんその傾向は強まっているようだ。自然現象も社会も政治もビジネスも先は見えにくい。
3.11の東日本大震災は予測も想像も超えていた。まさか原発まで破壊されて日本列島が放射能に曝されるなど誰も思いもよらないことだった。火山活動も活発になっていて、この半年間だけでも発令された噴火警報は、草津白根山、西之島、口永良部島、阿蘇山、御嶽山、霧島山、吾妻山、十勝岳と8山に上っている。
地震とともに大きな地殻変動が起こりつつあることを思わせる。局地を襲う大雨、竜巻、強力な台風、そして爆弾低気圧と豪雪。肌で感じる異常気象も激しさを増している。日本が突き進む高齢化社会も、世界のパワーバランスも、金銭ベースの経済社会の行方も、ビジネスの方向性も混沌として先は見えない。
こういう時代を表現する言葉にVUCAがある。
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を連ねたものでブーカと発音される。
20年ほど前に米国の軍事用語として使われ出したらしい。近年の変化はその内容もスピードも予測不能であり、前例のないことが起こって出来事の見込みも立たない。現象は複雑になり要因も確定出来ないことがよく起こる。
前例やロジックが無力化するVUCAの時代に、政策やビジネスの意思決定をすることは容易なことではない。

VUCAを乗り切る力
こういう時代を乗り切るにはどうすれば良いのか?レジリエンスという言葉がある。弾力性とか回復力とか耐久力とか復元力を意味する。もともとは精神医学や心理学で用いられる言葉のようであるが、3.11以降、国が国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)の取組みを示し、その活動をレジリエンス・ジャパンと称している。一つには内なるレジリエンス=めげない靭性のあるタフネスが必要である。
次に外を見る力が必要である。視野が内向していてはVUKAの時代を乗り切れない。外に出て見聞を広め交流を広めて感度を研ぎすまさなければならない。同時にチャレンンジャーであり信念も熱意も無ければならない。また予測が出来ないという現実を受け入れ、科学的な手段への過信を改め、柔軟な判断ができる体質も必要である。必然的にダイバーシティに代表される多様性への理解と尊重も求められる。
浮かび上がってくる人物像は、強靭さを持ちつつしなやかで洗練されたメンタリティを持つ人物のようだ。

 

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