政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


なぜ関西のローカル大学「近大」が、志願者数日本一になったのか第14回
『なぜ関西のローカル大学「近大」が、志願者数日本一になったのか』
山下 柚実 著/光文社 刊/1,300円(税別)

大学間競争の圧倒的勝者「近大」
「近大マグロ」で“本質”を伝える

「受験地獄」「受験戦争」といった言葉が巷で聞かれなくなって久しい。少子化による18歳人口の減少で、大学入学に厳しい競争を強いられることが少なくなっているからだ。今、競争しなければならないのは、入学者を確保しなくてはならない大学の方だ。
大学間競争の圧倒的勝者となったのが、本書の主役「近大」こと近畿大学だ。東大阪市に本部がある総合大学だが、ボリュームゾーンである関東での知名度は高くなかった。その近大が2014年度入試で「志願者数日本一」となった。
近大が世界初の完全養殖に成功して有名になった「近大マグロ」は、梅田と銀座に大学が出店する専門料理店で賞味できる。実はこの店に、近大人気の謎を解く一つのヒントがある。店が、同大学が理念に掲げる「実学教育」の場になっているのだ。文芸学部の学生が制作した陶芸の器に料理が載る。また食品栄養学科の学生が考えたメニューが提供される。学生が社会に触れながら学びと気づきを得られる。
「実学教育」は近大の“本質”の一つだ。近大の実学教育は、エリートではなく、分厚い中間層を育てるというもの。同じ理念を掲げる大学は多いが、なかなかそれをうまくPRできていない。近大は「近大マグロ」を使い、“本質”を受験生に、そして社会に分かりやすく提示している。
今の高校生は、大学の本質を見抜く。表面的な入試制度の改革や、きれいごとばかりのパンフレットにダマされなくなっている。
高校生を「消費者」に置き換えてみるといい。現代ほど“本質”で勝負しなければならない時代はないのではないか。近大の“勝利”には、いろいろなヒントがつまっている。
(情報工場・編集部)

情報工場webサイト

情報工場webサイト

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">