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徹底した省エネ社会へ
今後の省エネ政策のポイント

大幅な省エネが見込めるZED実現へ

最近の省エネについて、総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会のこれまでの議論の中間的整理のポイントから見てみた。
昨年6月、閣議決定された「エネルギー基本計画」では「徹底した省エネルギー社会の実現と、スマートで柔軟な消費活動の実現」の方針が打ち出されている。
省エネを取り巻く現状認識では、①わが国の構造的課題の克服に向けた省エネ対策の加速、②エネルギーコスト高を乗り越え、省エネ投資と経済の好循環の創出―が打ち出されている。
わが国は、世界最高水準のエネルギー効率を達成しているが、化石燃料には乏しく、内外のエネルギー情勢の影響を受けやすい根本的脆弱性がある。近年はエネルギー効率の改善が停滞、各部門の省エネ施策の不断の見直し・改善が必要だ、としている。
また、電気料金を初めとするエネルギーコストの増大が、産業、中小企業、家庭の収益を圧迫、エネルギーコスト高対策が緊急的に必要である。省エネ設備投資は、事業者のエネルギー生産性の向上、競争力強化にもつながり経済活性化の観点からも重要と位置付けている。
具体的には、産業部門、民生部門、運輸部門、部門横断的処置の4つに分け、方策をまとめている。産業部門は、依然、エネルギー消費の4割を占めており、設備投資促進により、省エネの徹底的な掘り起しを図る。中小企業への省エネ支援を手厚くし、現状の停滞感を打破する、としている。
1つは、業種・業態ごとのベンチマーク(絶対値)制度を活用した施策体系の構築、2つめは複数事業者連携を評価する枠組みの検討や事業者単位での規制の徹底、3つめは10-20%の省エネポテンシャルがある中小企業向けに、診断やベストプラクティスの水平展開の強化をあげている。
民生部門では、まず、全体の2割を占め、他部門に比べ著しい、業務部門のエネルギー消費の増加を抑制するため、優れた省エネの取り組みやノウハウを共有する仕組み(省エネベンチマーク制度)を構築する。加えて、大幅な省エネが見込めるZED(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現をめざす。
全体の15%を占め、世帯数の増加とともにエネルギー消費が増加してきた家庭部門では、我慢ではなく、快適性を維持したまま省エネを実現するライフスタイルをめざす。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及加速や標準化、わかり易い省エネ広報を実施する。
さらに、横断的には住宅・建築物は、50年周期のストック対策として施策を展開。省エネ知識を持たない消費者が最新型の省エネ機器を選択できる環境を整備する。
全体の4分の1を占める運輸部門では、そのエネルギーの8割以上を占める自動車の単体対策が省エネ対策の要となる。さらに、エコドライブの推進や荷主の省エネ優良事例の横展開などにポテンシャルがある。
最後に、部門横断的に必要な処置として、ESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)などエネルギーマネジメントビジネスの活性化、スマートに消費パターンを変化させるディマンドリスポンスの普及、従来の重要技術を見直した省エネ技術開発と成果の普及、電力自由化後の発電事業者の効率化に向けた省エネ法規制のあり方の検討、エネルギー消費状況に関する各種データの公表と利活用の推進をあげている。

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