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発想力の鍛え方

発想力の鍛え方

第16回
『世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方』
クリスチャン・ステーディル、リーネ・タンゴー 著/クロスメディア・パブリシング 刊/1,980円(税別)

資源に恵まれない北欧の小国が
国際競争力をつけた理由(わけ)

デンマークという国の存在を、私たちは普段意識することは少ないだろう。だが、多くの日本人がLEGOブロックで楽しく遊んだ経験があるはず。hummel(ヒュンメル)のロゴの入ったウェアを着る人も多い。英国の専門誌で「世界最高のレストラン」に認定されたnoma(ノーマ)は、今年、期間限定で日本進出を果たした。
これらのアイデア溢れるプロダクトやサービスはいずれもデンマーク企業によるものだ。デンマークには「クリエイティビティ」を育む土壌があり、多くの企業や個人がそれを発揮して成果を残しているのだ。
本書では、デンマークのクリエイティビティが実際にどのように生まれ、発揮されているのか、個別のインタビューをもとに考察している。デンマークは人口560万人ほどの小国。天然資源にも恵まれていない。だがじつは国民一人当たりのGDPは日本を上回っている。クリエイティビティを商業ベースに乗せ、国際競争力の源泉にしている希有な国といっていいだろう。
著者はクリエイティビティを、既存の枠外ではなく「枠の限界ぎりぎり」で現われるものとしている。外に出てしまっては、一般に受入れられづらい。そして、既存の枠内にある「文脈」の重要性を強調する。すでにある文脈を、限界ぎりぎりまで伸ばしていくことで、独創性を発揮する。ノーマの料理はきわめて独創的だが、北欧料理の文脈をしっかりと守っている。
文脈を伸ばしていくことは、ひらめき型の天才でなくてもできる。重要なのは環境と機会が用意されること。デンマークには権力が分散した、開放的で協力的な社会や組織文化があるという。ここに日本の経済成長に向けた大きなヒントがあるのではないだろうか。

(情報工場・編集部)

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