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エネルギーミックスの見通しで

富士通総研の高橋洋主任研究員は、9日、『エネルギーミックスについて考える』をテーマとした記者懇談会で講演し、「政府が目標としている2030年の電源構成比における原子力の20%はかなり厳しい。大間、島根第3の2基が間に合ったとしても2基2167万KW。発電電力量は設備利用率70%として算出すると1329億KWhとなり、13・3%にしかならない」とする見通しを明らかにした。
政府は1月から、今後のエネルギーミックスについて議論を始めたが、資源エネルギー庁や国家戦略室の資料から、「政府は2030年の電源構成比の目標を原子力20%。再生エネルギー20%、天然ガス30%、水力10%、石炭15%、石油10%にしていきたいようだ」(高橋氏)。
そこで、同氏は2015年時点で現存する原発48基4000万KWが2030年時点でどうなっていくかシミュレーション(各年度末時点での設備容量を計算)をしてみた。40年運転制が進むとなると、2030年時点では廃炉が進み、18基1891万KW、発電電力量は1160億KWhとなり、構成比は11・6%にしかならない。
「仮に大間、島根第3の新規2基が増設され、20基となっても構成比は13・3%にしかならず、20%の目標は難しい」との見通しを示した。その上で、「日本は電力システム改革を行わなければならない状況にある。2020年には発送電分離もあり、再生エネルギーもよほどの政府のコミットがないと20%という目標は高すぎるかもしれない」。
となると、注目されるのが川内原発の年内再稼動であり、国民の反応がどう出るか鍵を握っている。新増設をしない限り、原子力の2030年20%は難しいし、いっそドイツのように新増設をあきらめ脱原発を目指すのも1つの方向性ではある。エネルギーミックスの政府の発表は4月の統一地方選挙あとになる見込みであり、当面、この議論はエネルギー安全保障の議論と相まって1つの案でまとめるのが良いのか、予想のつかない段階に入っていると言わざるを得ない。

2030年に原子力20%は可能か?

2030年に原子力20%は可能か?

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