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~ナノ光構造により、光取出し効率を劇的に向上~

国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT、坂内 正夫理事長)は、株式会社トクヤマ(社長・横田浩)と共同で、深紫外波長帯において世界最高出力となる90mW超の深紫外LEDの開発に成功した。
ナノ光構造技術により、深紫外LEDの光取出し効率を大幅に向上させることで、小型・高出力な深紫外LED光源を実現。今回開発した深紫外LEDは、最も殺菌性の高い波長265nm、室温・連続動作で、光出力90mWを達成したこれまでにない実用上要求される水準を十分に上回った。
薬剤を用いないクリーンな殺菌システムの実現や既存の水銀ランプの置き換え、新規市場の創出など大規模な需要が見込め、殺菌から医療、工業、環境、ICTに至るまで幅広い分野の産業、生活・社会インフラに画期的な技術革新をもたらすことが期待されている。
今回の成果のポイントは3つ。
■ ナノ光構造を用いて、深紫外LEDの光取出し効率を大幅に向上することに成功
■ 最も殺菌性の高い波長265nm、室温・連続動作で、世界最高の光出力90mW超を達成
■ 殺菌、飲料水・空気の浄化、医療、家電、食品流通、ICT分野など幅広い分野への展
開に期待
深紫外波長帯(200~300 nm)で発光する半導体発光ダイオード(LED)は、ウィルスの殺菌や飲料水・空気の浄化、光加工、樹脂硬化、環境汚染物質の分解、食品流通分野、院内感染予防、光線外科治療、種々の医療機器、ICT利用など、幅広い分野で、その応用が期待されている。
これまで、既存の深紫外光源として、主に、水銀ランプなどのガス光源が用いられていたが、ガス光源は寿命が短く、発光波長がガスの輝線のみで限定される上、水銀などの人体・環境に有害な物質を含んでいる。また、光源のサイズ、消費電力も極めて大きいことから、その利用範囲は制限されており、代替技術実現への要請が高まっていた。
近年、窒化物系半導体(AlGaN:窒化アルミニウムガリウム)を用いた深紫外LEDの開発が世界的に活発化していますが、今回、ナノ光構造技術を駆使して、深紫外LEDの光取出し効率を大幅に向上させ、深紫外波長帯において世界最高出力となる深紫外LEDを実証することに成功した。
今後の展望では、深紫外波長において世界最高となる90mW超の小型、高出力な深紫外LEDの開発に成功し、実用上要求される水準を満たす性能を実証したことにより、今後の深紫外LEDの本格的な普及、応用製品群の実現に向けて大きな進展が期待される。小型・ポータブルで高出力な深紫外LEDの実現は、持ち運び可能なウィルス殺菌システムやポイントオブケア型の医療診断・分析など、これまでにない様々な新規市場が期待される。

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