政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


女性を活かせない日本の男社会

木内里美(株式会社オラン代表取締役)

ワーキングマザーが日本を支える
ダイバーシティの名の下に、女性の社会での活動に注目が集まりつつある。女性の就業率は47.1%(男女共同参画白書2016年版)であり、この10年間男性の就業率は徐々に下がっているが女性は増えている。女性が働く動機には経済的な背景やダブルインカムによる生活の充実もあるだろうが、専業主婦を好まず、社会進出を望む女性が増えていることは間違いない。
寿退社という言葉も死語になった。結婚後も仕事を続け、出産を迎えると育児休業を取得し再び職場復帰する人も増えている。実際に筆者の身の回りで活躍している女性の多くがワーキングマザーである。
少子高齢化社会がじわじわと進む中で、ワーキングマザーの果たす役割は大きい。生産労働力ばかりではない。女性の持つ感性や発想力、観察力、分析力、行動力など男性とは異なる特性がある。ある先端技術メーカーにおける開発部門と営業部門のリーダーはワーキングマザーだという事実も驚くに当たらない。まさにワーキングマザーが日本を支えている姿が見えて来る。

急がれる女性のキャリア環境作り
しかし、ワーキングマザーの労働環境は厳しい。時短勤務や急な欠勤で肩身の狭い思いをし、意外に冷たい職場の目に耐えている。
一方、ダイバーシティだ、「にいまる・さんまる」(2020年までに指導的な地位に占める女性の割合を30%以上にするという政策)だと女性に焦点を当てる動きも活発はであるが、実態はなかなかついてはこない。そこには大きな誤りを感じる。様々な多様性を尊重するダイバーシティをあたかも女性の「活用」に偏重したり、処遇の「数」を数値目標のようにしたりしているからだ。だからいつまでたっても女性の特性を活かすことができない。いかにも日本の男社会の建前と本音の実態を晒しているようだ。
女性と男性は根本的に異なる。体力や外形的な特徴ばかりでなく、感覚も感性も価値観もライフステージも違うのだ。男には無い発想力や分析力や開発力を備えている女性に時々遭遇する。マーケティングや営業に長けている女性もいる。情報システム分野では女性の方が仕事とシステムの関係理解が深いように思う。その特性を活かすことを考えなければならない。
女性に必要なのは処遇の数ではなく、働ける環境ではないのかと思う。キャリアモデルを作っていくことやワーキングマザーの小一の壁や小四の壁を乗り越えられるしくみを作ることだ。環境が整えば、数は自ずとついてくるだろう。

 

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