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内閣官房内閣参事官 NISC(サイバーセキュリティセンター)  藤田清太郎氏

内閣官房内閣参事官 NISC(サイバーセキュリティセンター)  藤田清太郎氏

サイバーセキュリティをめぐる状況は著しく変化してきている。インターネット普及率は82%となり、スマートフォンの世帯普及率は3年で6倍に急増、サイバー攻撃は6秒に1回攻撃が発生し、重要インフラへの攻撃は1年間で2倍に増えている。
そして国家の関与が疑われる攻撃も発生し、世界が注目される2020年の東京五輪に向けた準備が欠かせない。そのため、今年1月から脅威に対応するため、サイバーセキュリティ基本法が施行されている。
国家安全保障戦略でも、海洋、宇宙空間、サイバー空間といった国際公共財(グローバルコモンズ)に関するリスクとして、「情報の自由な流通による経済成長やイノベーションを推移するために必要な場であるサイバー空間の防護は、わが国の安全保障を万全とする観点から不可欠」と位置づけられている。
最近の傾向としては、機密情報などの搾取を目的とした標的型メール攻撃が年々増加し、手口も巧妙化してきており、組織的な攻撃の可能性が高くなってきている。
標的型攻撃は、初期潜入し、遠隔操作により侵入範囲を拡大し、情報窃取を行う。この侵入を100%防ぎ続けることは困難なため、侵入されても被害を抑える多重防御を備えたシステム構築が重要となってきている。
今回のサイバーセキュリティ体制強化のポイントは、内閣官房長官を本部長とするサイバーセキュリティ戦略本部が内閣に出来、IT戦略本部、NSCと緊密に連携したNISCが事務局となって、政府機関等のサイバー攻撃対応能力を抜本的に強化したことにある。予算も大幅に拡充されている。
またNISCの政府機関に対する監査や原因究明調査など権限が強化され、戦略そのものも格上げされた。
今回発表された新たなサイバーセキュリティ戦略では、サイバー空間は「無限の価値を生むフロンティア」であり人工の空間であり、経済社会の活動基盤と位置づけられ、サイバー空間と実空間が融合が高度に深化した「連接融合情報社会」が到来、「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の創出・発展を目的としている。
基本原則は①情報の自由な流通の確保、②法の支配、③開放性、④自律性、⑤多様な主体の連携。その目的達成のためのポイントは、後手から先手、受動から主導、サイバー空間から融合空間へ。
具体的には、安全なIoT活用による新産業の創出、セキュリティマインドをもった企業経営の推進、政府機関の防御力強化、重要インフラを守るための情報共有の活性化、警察・自衛隊のサイバー対処能力強化などに取り組む予定だ。
また、攻撃検地・防御能力向上のための研究開発やハイブリッド型人材の育成、突出型人材の発掘・確保、キャリアパス構築などに取り組んでいく予定だ。

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