政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


生産や流通の拠点見学からの学び

木内里美(株式会社オラン代表取締役)

意外に知らない「現場」
CSRや地域貢献の考えから、工場見学など生産拠点の見学会を提供している企業は結構多いものだ。見学コースや展示館や専任のガイドなどを用意して、毎日何組も受け入れてくれる。そんな環境がありながら何かの機会がないとなかなか行かないものだが、今年は頻繁に訪問する機会に恵まれた。大規模な物流の拠点、精密機械の生産工場、ロボットの生産工場、飲料品の生産工場などである。もともと現場好きの筆者には嬉しい機会だった。
実際にそのような拠点を見学すると、部分的に持っていた知識や頭の中で描いていた設備やプロセスとは異なる現場の実態を知ることになる。物流の拠点では、大型で複雑に入り組んだコンベアが想像していた速度より遥かに速い速度で動いている。荷物の大小にかかわりなく、高速でラベルを読み取り配送先の仕分けをしている様は圧巻である。
動いている姿は表層であって、バックヤードの機械仕掛けやコンピューター制御やメンテナンスの努力などが現場を見ることで浮かび上がってくる。その全体の組み立ては現場を見ないとわからないものだ。「実態の理解には現場を見ろ」とはこのことである。

諦めない、突き詰める、夢を持つ
生産現場はまた趣が違って面白い。3年前に見たロボット工場と今年見たロボット工場でははるかに進化しているのがわかる。例えばロボットがロボットを作っているラインがある。3年前とは異なり、生産工程のかなりの部分をロボットが組み立てている。
いくつもの「手」が複雑に動き小さなネジを摘み、ドライバーで締めていく。ある程度締めると速度が緩み、最後にトルクをかけて人の手のようにしっかり締めている。その検査もロボットがしている。それらは巧みにプログラミングされたソフトウェアで制御されているのだ。まさにターミネーターやアベンジャーズの世界を彷彿とさせる。違いがある とすれば、人の手に依存しなければ処理できない工程があるくらいである。
生産現場には共通することがある。3年間の進化は止まることがない。たくさんの失敗や試行錯誤を重ねて目指すところに向かって努力を重ねていく。決して諦めない。目指すところに到達したら、次の目標に向かって突き詰めていく。これでいいという限界はない。それが日本の産業を支えている。その組織的なメンタリティはどこから出てくるのか?おそらくその先に皆が共有する夢を持っているからに違いない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">