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渡邊昇治氏

渡邊昇治氏

10月の情報化月間が始まった。今年は臨時国会が9月末まであり、式典開催が27日に開催される。

経産省が提唱する『攻めのIT経営』

経産省商務情報政策局情報処理振興課長
渡邊 昇治氏に聞く

日本では、ITは事務の効率化とかミスを減らすために多く使われているが、これからはITでビジネスモデル自体を変えたり、商品やサービスを変える、「攻めのIT」が重要であるというのが、目下の経済産業省の情報政策に関する認識の一つとなってきている。
企業に対するアンケート資料によると、ROE(株主資本利益率)が高い企業ほど経営トップのITに対する関心が高いことがわかってきている。例えば、3年間の平均ROEが8%を超える企業は、自社のIT活用やITの技術動向について「経営トップが社内で最も関心及び知見のある者の一人」と回答した企業が4割を超えている。他方、ROEが8%を下回る企業は2割にとどまっている。
その他、事業部門へのIT人材の配置、社内でのIT人材の育成、情報システムの維持管理及び刷新についても、収益力の高い企業が高い比率で取り組んでいる。また、情報セキュリティリスクへの対応についても、高収益企業の8割が「経営トップと経営層が定期的に認識・協議する場があり、役員レベルでの責任者が明確化されている」と答えている。
また、高収益企業は「5年以上前からITを活用した事業革新に取り組んでいる」と応えた企業が6割を超えており、他社に先駆けて事業革新のためのIT活用を早期に開始している。
なお、個人的には、攻めのITだけでなく、すなわち、ITだけに限ることなく、新しいことを経営に取り入れてみようという「攻めのマインド」が重要であると考えている。業績の良い企業の経営者にお会いすると、好奇心旺盛な方、新しいことに敏感な方が多いと感じる。ITに関心を持つような経営者は、新たな技術やサービス等にも関心を持っているということかもしれない。「当たり前のことを当たり前にやっているだけ」と謙遜する方もいるが、実はそれこそが斬新であり、かつ難しいことである場合も多い。
経営者がITに関心を持っている企業は業績が良いということで、政府の成長戦略にも「攻めのIT経営」が取り上げられている。日本では、エネルギー産業や健康福祉産業が成長産業として注目されているが、これらの産業規模は人口比例の要素も大きい。しかし、IT産業の伸びは人口の伸びを大きく上回るであろう。ITは社会の様々な場面でますます使われるようになるし、ITはあらゆる産業に入り込み、その成長を支える。今こそIT産業の成長戦略に力を入れていくべきだと考えている。
(ビジネスシステムイニシアティブ協会の基調講演より)

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