政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


21世紀はクリエーターの時代

鶴保征城 (HAL東京・大阪校長)

東京オリンピックは出だしで少しずっこけたが、それでも2020年に向かって日本の社会が大きく変化していくことは間違いない。
スポーツはもちろんだが、観光や産業、エンターテインメント、さらには社会構造や人の生き方そのものに至るまで、多様な変化が生まれつつある。
情報社会の時間短縮効果がオリンピックによってさらに加速され、予測不可能な範囲にまで多様なイノベーションが進みつつある。
先日のラグビーがよい例だが、世界の注目が集まると、抜群の才能集団が日本に現れる。ラグビー以外のスポーツでも、また他の分野でも同じ現象が起こるだろう。
一日8時間、一年300日として、2020年まで1万時間と少し。個人でも企業でも生き方やビジネス目標を決めて、この1万時間をいかに有意義に使うかに、2020年以降の成否が左右される。
変化を拒否して成長を続けることはあり得ない。ヒト、モノ、カネ、すべてがそのままではどんどん減退していくことは避けられない。これを前向きに受け止めてチャンスに変えられるかどうかだ。
人口が減ったとしても、動きの少ない1億人と活発に動き回る1億人とでは、気持ちの上でも経済的にも大きく異なる。活発に動けば個人、企業、社会にチャンスが巡ってくる。
ポイントは、我々を縛り付けている固定観念から抜け出し、スピード感をもって問題に向かっていけるかどうかだ。これができれば日本は甦るし、数十人のベンチャーでも数万人の大企業に勝てる。
いささか旧聞だが、日本のウィスキーが世界のアワードでトップになった。同じようにワインも世界を席巻しつつある。ウィスキーはスコットランド、ワインはフランスという固定観念から脱却できなかったら今の大成功はない。サントリーもニッカも、各地のワイナリーもベンチャースピリッツにあふれていたということだ。
日本人は元来祭り好きな習性があるから、きっかけがあれば大いに盛り上がる。祭りには変装やパレードがつきもので、各自が工夫して発表され評価が行われる。これが大事だ。昔は「読み書きそろばん」といったが今は、「読み書き、制作、プレゼン、評価」だ。
誤解を恐れずに言えば「20世紀は工場労働者とサラリーマンの時代」、「21世紀はクリエーターの時代」だ。今はこの切り替えにみんなが戸惑っている。前者は頭が良く勤勉な者が有利だが、後者はセンスや総合力が問われる。何よりもやる気が重要になる。
チャンスが平等に訪れたと言うことだ。

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