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サイバー・インテリジェンス

サイバー・インテリジェンス

第35回
『サイバー・インテリジェンス』

伊東寛 著/祥伝社 刊/780円(税別)

国際関係のルールを変え、世界秩序を
揺がしつつある「情報の奪い合い」

「インテリジェンス」とは、以前は「諜報」と訳された政府等による外交や安全保障に関わる情報収集・分析活動のことである。インターネットの発達により、そうした活動はより安全、効率的、低コストで行えるようになっている。
本書では、インターネットを駆使した「サイバー・インテリジェンス」の基本や最新事情、今後の展望などについて、陸上自衛隊サイバー部隊を率いた経験もある著者が詳細に解説している。ハッキングやウイルス拡散などのサイバー攻撃も本書ではサイバー・インテリジェンスに含まれる。要はサイバー空間における「情報の奪い合い」だ。
インターネットは基本的に「善意」「協調」を前提に成り立つシステムだ。それゆえそこに「悪意」「対立」が入り込むと防御が難しい。防御が過ぎると、インターネットの前提が崩れてしまうからだ。サイバー・インテリジェンスの世界で起きているのは、まさに「善」と「悪」の闘いともいえる。
サイバーインテリジェンスの発達は、世界の秩序を揺るがしつつあるようだ。米国政府は、ソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃に際し、その犯人が特定されていないにもかかわらず「可能性が高い」とされた北朝鮮に対し経済制裁を行った。「疑わしきは罰せず」の国際ルールを変えてしまったということだ。
おそらく現代はサイバーインテリジェンスを前提としたルールが構築される過渡期にあるのだろう。この機に乗じて世界の枠組みを揺るがすほどの「悪意」が入り込まないうちに、サイバー空間のルールづくりを急ピッチで進めるべきだろう。
(情報工場編集部)

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