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東京医科歯科大学と東京工業大学のベンチャー企業が発売する「EMARO」
空気圧駆動の内視鏡操作システム

東京医科歯科大学(TDMU)と東京工業大学の両大学発ベンチャー企業のリバーフィールド㈱が開発し、販売し始めたオペサポ(手術支援)・ロボット、内視鏡操作システム「EMARO」が話題を集めている。
同社はTDMU生体材料工学研究所と東工大が文科省のSTARTプロジェクトの支援を受けて設立され、医工連携による低侵襲外科手術支援用ロボットシステムの研究開発を行ってきた。
「その中で、年間18万件と増えてきた内視鏡による手術の際、鉗子器具の自由度の
少なさ、非直感的な操作性、視界の狭さなど医師に過大な技術を要求していることがわかった」(同研究所・川嶋健嗣教授)。
2名体制でなければ難しい現状の内視鏡手術を1名で行える手術支援システムのため、直接駆動で柔らかさのある、力制御に適した空気圧駆動多自由度鉗子の開発に取り組んだ。
「その過程で内視鏡操作システムを先に実用化しようと今年から市場に出すのがEMAROです。空気圧により人間に近い動きのできる高い安全性、ハンズフリーで直感的に優れた操作性、上下左右前後回転ができる機能性が医師たちから高く評価されています」(同)。
使い方は、手術する医師の額にジャイロスコープを装着、頭部を動かすと空気圧サーボ駆動のロボット内視鏡が動き、手術している場面を液晶画面に映し出す。医師は鉗子を持ちながら画面を見て一人で内視鏡による手術が行え、医師の負担が非常に軽くなるシステムだ。医師の少ない地方では引き合いが殺到するのは間違いない。
「EMAROは第1段階の操作システムです。次は今開発中の手術ロボット用鉗子マニピュレータを組み合わせた、低侵襲な外科手術支援のロボットシステムを2019年までに実用化していきたい」(同)。その後は、遠隔手術を可能とするロボサージャー手術を視野に入れて開発を進めている。
実際、ロボット鉗子を用いると、縫合手術の習得時間が大幅に短縮でき、疲労度が少ないという結果がでている。手術支援のためのロボットシステムは日進月歩で進歩している。2035年に手術用ロボット市場は35兆円と言われている。現在は外国製のダビンチしかないが、日本発のオペサポ・ロボットが活躍する日は近い
ことを実感した。

EMAROの操作を実演するTDMU研究員

EMAROの操作を実演するTDMU研究員

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